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思春期を迎える子どもとの接し方

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名誉教授 新富康央

2020年3月25日更新

 FMヨコハマの番組『Lovely Day』では、人間開発学部が提供するミニコーナー「SUKU SUKU SCHOOL」を毎週月曜日11:20から展開しています。今回は、元人間開発学部長で本学名誉教授の新富康央先生に、「思春期を迎える子どもとの接し方」について伺った模様(1/6~2/10 放送分)お送りいたします。


「思春期は「me」から「I」への子どもの自立」

子どもの成長

 

 最近では小学校5年生位から始まる思春期。「反抗期」とも呼ばれることもあるこの時期は、子どもの思考が「me」から「I」に変わる時です。思春期前の子どもは、人から見られている自分「me」で行動します。親御さんや先生に言われた通り、周りから貼られたラベルに自分を合わせるのがこの時期です。一番安定している時期でもあります。それが、思春期になって自立心が芽生え、自我が確立してくると「I」の思考になります。その時、自分がイメージしている自分と周りからみられている自分にギャップがあると、腹を立て反抗するようになります。大きな自分に見られるのも、小さな自分に見られるのも嫌。小学校の時までは褒めれば伸びていたものが、「自分にはできるわけない」と反抗的な態度をとるようになります。

 

「もので褒めて、ひとで褒めるな」

 では、この難しい時期を親御さんはどのようにお子さんと接すれば良いのでしょうか。まず覚えておいてほしいことは、いい親になろうとして子どもの言うがままにならないこと。黙れと言われて、はいと黙ってしまうなどは良くありません。うるさいと言われても、伝えることは伝える。誰にも何も言われなくなったらおしまいで、それが一番子どもを不安にさせてしまいます。
 褒め方、叱り方で大事なことは、「もので褒めて、ひとで褒めるな。もので叱って、ひとで叱るな」です。ここで言う「もの」とは事実のこと。できたことややってしまったことの事実にのみ焦点を当てます。思春期に入ってからの褒め方は、抽象的でなく具体的に事実を伝えましょう。例えば絵画だと「この赤の出し方がいいね」などですね。叱り方はもっと重要で、「また、お前か」「お前だから」など人格を傷つけるような言い方はしないようにしましょう。

 

「親御さんの心構えはコップの原理で」

 思春期のお子さんを持つ親御さんには、少し余裕を持った状態でお子さんと接してほしいです。例えばコップに水を移すとき、元のコップの水量が目一杯だとうまく注げませんね。同じように、親御さんは肩に力が入りすぎていると、子どもの不満や思いを受け入れられなくなってしまいます。元のコップの量を調整するように、ご自身に少し余裕を作って、まずは不安を受け止め、その上で親の思いを伝えると良いです。
 また、中には反抗期がないのが不安という親御さんもいますが、思春期は自分探しの試し期です。反抗という形でなく別の試し方をする子もいるので、それはそれで良いのです。人それぞれ試し方は違うのですから。
 この時期は親離れ、子離れの時でもあり、意識しないと自立させられなくなってしまいます。思春期はお子さんの自立への一歩と捉え、成長をきちんと認め一人前に扱う。日常の声かけを大切にし、子どもにエールを送る。親御さんには半歩手前から見守るような気持ちで接してほしいですね。

FMヨコハマ『Lovely Day』番組内「SUKU SUKU SCHOOLは、毎週月曜日 午前11時20分~25分に放送中。

(放送はインターネットラジオ「radiko.jp」でも聞くことができます。)

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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