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「大学三大駅伝」へ挑む

陸上競技部・長距離男子チーム

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2019年9月20日更新

 令和初の大学駅伝シーズンが、いよいよ10月14日の「出雲駅伝」で幕を開けます。平成最後の箱根駅伝で総合7位、全日本大学駅伝で6位と國學院大學としての最高位を更新した陸上競技部・長距離男子チームは、今季も各地の大会や記録会で好成績を挙げています。出雲・全日本・箱根の「大学三大駅伝」すべてで出場権を獲得し、初めて同一シーズン中に3つのレースに挑むチームを率いる前田康弘監督と主力3選手に今季の抱負を聞きました。

勝負のとき、チャンスをものに

前田康弘監督 2009年8月就任。監督として出雲2回、全日本4回、箱根8回を経験。選手時代(駒澤大学)には箱根制覇も。

Q 駅伝シーズンに向けての抱負を

A ただ出場するだけではなく、勝負したいと考えています。今年はしっかりしたランナーが多いので手応えを感じています。しかし、夏が一つのポイントでしょう。どのぐらい疲労が出るかわからないですし、秋にベストメンバーが組める保証もありません。箱根にピークを持って行くには、出雲、全日本を前哨戦としても結果は出したいですね。

 今季は全日本、箱根ともに予選会がないため春のトラックシーズンでは高いレベルの試合にも参加し結果を出すことができました。しかし中間層に課題があるので、箱根駅伝にむけてはこれからがんばっていくしかありませんね。

Q 箱根は拘るレースですか

A やはり大学駅伝といったら箱根です。出雲、全日本も大事ですが、箱根の注目度はけた違いです。出場校は関東の大學に限られますが、選手は全国から集まるので全国大会ともいえます。理想的なのは「出雲と全日本で若い選手の経験値を上げさせてから箱根」というパターンでしょうか。ただ、4年生のラストイヤーに対する思いも大事だと思っています。育成と勝利のバランスが難しくなってきます。

Q 監督として目指しているものは

A 学生スポーツは卒業と入学の繰り返しです。一時良くてもだめで、循環しなくてはなりません。一定のレベル以上を維持するには、上級生が下級生に目に見えない何かを伝えていく必要があります。そこを整えるのが監督の仕事でもあるのです。

 現状の大学駅伝では、東洋、青学、東海、駒澤の4強が抜けていますが、その4強を越えなければチーム目標を達成することはできません。今季は最大のチャンスと捉えています。それをものにできるかは我々の力量だと思っています。

 

「歴史を変える挑戦」を体現

土方英和主将(健体4)5月の関東インカレ・男子2部ハーフマラソンを1時間5分18秒で制す。9月の全日本インカレ10000㍍で日本人トップとなる3位。箱根では1年次に3区(区間18位)、2年次に4区(同3位)、3年次に2区(同7位)を走る。

Q 三大駅伝へのキャプテンの決意を

A 中間層の底上げが昨季からの課題で、下級生のレベルアップを意識してやってきました。春以降に自己ベスト更新が相次いだことに成果が出ていると思います。全日本大学駅伝の予選会もなく、タイムを狙う個人レースにたくさん出場できたことが一つの要因だったと思います。調整は順調に進んでいて、主力も故障なく合宿に入れますし、故障者も復帰してきます。チームとしては非常に良い形だと思います。今季は勝負の年なので、昨季から掲げているスローガンの「歴史を変える挑戦」を体現し、より強い國學院大學を見せられたらと思います。

Q 個人として今季はどうでしょうか

A この夏、イタリアで行われたユニバーシアード競技大会の代表を逃したので満足していません。結果を出せずに臨んだ関東インカレのハーフマラソンでは、とにかく優勝だけ狙っていました。この悔しさを駅伝のエネルギーに転化させ、とにかく区間賞を目標にしたいです。ただ、区間賞に拘りすぎるのではなく、チーム中での自分の走りができれば区間賞もついてくるはずです。

Q 長距離に対する思いはどうでしょう

A 小学校1年生の校内マラソン大会で2位となったのが、長距離を好きになったきっかけです。4年生までずっと2位で、勝てない相手もいたのですが・・・。5年の時に初めて勝てた時の喜びが忘れられなくて。当時はサッカー、水泳などもやっていましたが、一番自分に合っているのは陸上だと思っています。努力した分が結果に出るところが魅力ですね。

「好走以外は全部失敗」の覚悟

浦野雄平選手(経営4)7月に5000㍍13分45秒94、10000㍍28分25秒45で自己記録を更新し、いずれも國學院大學記録を塗り替えた。箱根では1年次に山下り(区間17位)、2年次に1区(区間2位)、3年次に山上り(区間新)を走っている。

Q 三大駅伝に挑むのが今季の注目点だが

A チームとしても個人としても初めてなので、非常に楽しみです。僕に関しては、チームのストロングポイントにしなくてはいけない部分だと自覚しています。エースとしての走りを求められるので、出雲でも流れを変える走りをしなくてはなりません。リスクを背負ってでも序盤からガンガン攻める走りをしたいですね。

Q 箱根ではタイプの違うコースを走っていますが

A それぞれのコースで感じるプレッシャーも違いますが、そこでしか実感できないやりがいもあるので、自身のレベルアップに繋がっていると確信しています。山上りでの記録樹立も、1年で下りを経験していたからこそだと思うので、3回走ったことで今の自分があると思います。

 駅伝での自分の立ち位置はミスが許されません。好走以外は全部失敗だと思っているので、結果を出さなければ。それぐらいの思いや責任を背負って走ることが自分の中のエース像です。

Q 長距離への思いは

A 長距離を始めたのは高校から。中学までは野球をしていました。中学に陸上部がなかったので寄せ集めのメンバーで挑んだ駅伝大会、ぶっつけ本番で走ったら区間賞が取れてしまいました。走っている時が一番輝いている。誰にも邪魔されずに自分を表現できる。長距離は自分を表現でき、自分らしくある競技ではないでしょうか。

長距離は生涯のパートナー

藤木宏太選手(神文2)7月に10000㍍で自己ベスト28分46秒41(国大歴代3位)をマーク。9月の全日本インカレ10000㍍では土方主将に次ぐ4位に入った。箱根ではルーキーイヤーから1区(区間10位)を経験した。

Q 駅伝シーズンが始まります

A 簡単に負けない、競ったら負けないイメージでやっていきます。自分の走りはついていくことが身上です。終盤まで粘ってラストスパートで勝ちきるスタイルで戦いたいですね。

Q 箱根で1区を走った経験はどうでしょう

A 大きな舞台ですので、1年生として失敗できない立場でした。監督には「ついていくだけでいい」と言われ、指示に従っただけなので難しいことは考えないでできたかなという感じです。

Q 今季の取り組みは

A 春先に左足首をねんざしてしまい、2週間のブランクがありました。本来はその期間に走り込でトラックでの強さを身につけるはずでした。ブランクで体力が戻らなかった時期に、同学年の他大選手が結果を出していたので焦りはしましたが、焦りすぎても良くないので、確実に直そうと調整して順調にきています。三大駅伝では出雲を走りたいですね。短いレースはめったにないですし、箱根に向けて良い方へ流れる前哨戦にしたいと思っています。

Q 長距離はいつから走っていますか

A 中学で短距離をやっていたのですが、2年の時にメンバーが不足していたので駅伝に出させてもらったところ、結果が良かったので、そこから長距離に切り替えて取り組んできました。長距離は、自分にとっては生涯のパートナーのようなものです。走っていて結果が出ないと楽しくないですが、それを次のレースの起爆剤にするよう心掛けています。今のチームは4年生に大きく依存していると自覚しています。浦野さん、土方さんらが卒業してからは自分たちが結果を出し続けることでチームを牽引していきたいですね。

大学三大駅伝 「出雲全日本大学選抜駅伝競走」(通称・出雲駅伝、体育の日に開催、出雲大社~出雲ドームの6区間45.1㌔)、「秩父宮賜杯 全日本大学駅伝対校選手権大会」(通称・全日本大学駅伝、11月の第一日曜日に開催、熱田神宮~伊勢神宮の8区間106.8㌔)、「東京箱根間往復大学駅伝競走」(通称・箱根駅伝、東京・大手町~箱根・芦ノ湖の往復10区間217.1㌔)の3レース。それぞれ「スピード駅伝」「大学駅伝日本一決定戦」「人気と伝統」が売りで、本学陸上競技部は平成の間に出雲2回(最高10位)、全日本6回(同6位)、箱根12回(同7位)の出場を果たしている。

 

 

 

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