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運動は基礎トレーニングから

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人間開発学部健康体育学科教授 陸上競技部部長 大森俊夫

2014年11月1日更新

子どもの運動に関する能力の発達は大人が考えている以上に早くから始まっています。

最近のスポーツ界を見ると若い選手の活躍が目立ちますが、そのような選手は相当早い時期からトレーニングを開始しています。発育期においてはまず、神経筋系のトレーニングが脳の働きを良くしますので、いろいろな動きがスムーズにできるような刺激が大切です。いくつかのオススメの運動をご紹介します。

1. 全身の筋肉を上手に使うために「ケンケンパ」を始めましょう。
ケンケンパは昔からある日本の伝統的な遊びですが、バランス、リズム、運動の方向性など神経系、筋力、瞬発力などの総合的トレーニングと言えます。特に円の組み合わせによりリズムを変化させることができるので脳への刺激が期待できます。

2. バランスを重視した運動として床にテープを張って、バランス感覚を養いましょう。
子どもは歩き出すと、あまり意識せずに成長しますが、床に幅5cmほどのテープを張ってその上を歩かせると、最初はうまく歩けませんが練習を重ねるとまっすぐ正確に歩けるようになり、バランス感覚が身に付きます。目標を定めることによって脳がより活性化します。テープを直角に曲げたり、二本にしたりするとさらにバランス能力を高めることができます。

3. 歩けるようになったら全身を使う能力を高める運動として
「登ったり下りたりすること」が大事です。手と足を同時にうまく使うことが運動能力の発達に影響します。ジャングルジムは危険ということで最近、撤去されていますが、立体的な3次元の中で手足を使う能力を早くから育てる必要があります。きちんと段階を踏んで3点支持などの安全を確保して行いましょう。まずは低いやぐらなどから始め、最終的には複雑な木登りができるようにしましょう。

4. 親と同じ情報を共有する「おんぶ」で親の目線を体感させましょう。
子どもは親の動きを見て先行学習をしています。おんぶをすれば親の目線の世界を体験できます。歩けるようになったら抱っこよりおんぶの方が役立つ情報量が多いのです。特に台所での包丁などの動きは大切ですので、おんぶして調理をすれば包丁を使うのが早く上手になるでしょう。その他の手仕事も早い段階からたくさん見せることが大切です。

子どもにとって、動かなくてもよく見て観察する学習は重要です。保護者にとっても子どもをよく観察することが大切です。また子どもは間違った判断もしますので安全に配慮し、段階的に導いていきましょう。

 

 

 

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