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なぜ日本人はお風呂が好きなのですか?

外国人留学生から見たニッポン

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文学部教授 小川直之

2015年8月3日更新

(※画面の右上のLanguageでEnglishを選択すると、英文がご覧いただけます。This article has an English version page.)

Q.日本には、いたる箇所にお風呂や温泉があり、多くの人がそれらを訪れており、入浴を好んでいる印象を受けています。お風呂にはどのような歴史があるのか、どうして日本人はお風呂が好きなのか教えてください。

A.日本人の風呂好きの理由─多様な入浴法

 日本にはさまざまな入浴法が伝わっています。「風呂」というのは、本来、サウナのような熱気浴や蒸気浴のことで、岩窟を指すムロの中で火を焚いて熱気を充満させ、汗を流す入浴です。現在も瀬戸内沿岸から九州北部に「石風呂」などと呼んで存在する。蒸気を充満させた温室の中に入る蒸気浴は近畿地方にありました。

 温湯の中に身をひたす温浴は、これを行う場所を「湯殿」、有料の共同浴場を「湯屋」などということからわかるように、「湯」と呼ばれていました。「湯」には温泉の意味もあり、7世紀には「有馬の湯」、「伊予の湯」(道後温泉)などが知られていたし、温泉神社とか湯神社が平安時代後期の文献に見える。以上のような風呂や湯は共同のもので、現在のように家に入浴施設を設けるようになったのは江戸時代以降です。  蒸し暑い夏と寒冷な冬への対応と、火山国で温泉に恵まれていることで、日本に多様な入浴法がうまれたことが、日本人を入浴好きにしたといえるでしょう。 img_01

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2015年8月3日付け、The Japan News掲載広告から

 

 

 

 

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