Q.日本語で、目上の人と別れるときに何と挨拶をすればよいかわかりません。
友達に対しては「じゃあね」「ばいばい」を使いますが、これは目上の人に対しては失礼でしょうか?
A.「さようなら」は省略語
別れの挨拶語「じゃあね」は「では」が融合した「じゃあ」に終助詞「ね」がついたものです。「ばいばい」はもともと外来語由来で、幼児語的な挨拶語と意識される場合が多いです。これらは共に敬意を伴った形式を加えることができないので改まった場面や目上に対して使いにくいようです。そこで別れの挨拶語としては「さようなら」を使うのが無難でしょう。これも江戸時代には他にも「しからば」「さようなれば」「そんなら」など様々な形式があり、また敬語を伴って「さようならば明朝お目にかかりましょう」「さようならご機嫌よろしう」「さようならおしづかに」などの長い形式を使う場合もあったが、現代語ではあまり使わなくなりました。就職活動で訪問した会社を辞去する時のように「さようなら」ではまだ敬意が足らないと思う場合は「(それではこれで)失礼させていただきます」と言えば十分敬意がこもった別れの挨拶語といえるでしょう。

2015年9月15日付け、The Japan News掲載広告から
諸星 美智直
研究分野
日本語教育学・日本語教育史・近代日本語・ビジネス文書学
論文
「「おついでの節」の依頼表現」(2023/03/31)
「ビジネス日本語における前置き表現「つかぬことを伺いますが」のストラテジー」(2022/03/31)