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なぜ日本には玄関があり、敷居があるのですか?

外国人留学生から見たニッポン

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文学部教授 新谷尚紀

2015年9月24日更新

(※画面の右上のLanguageでEnglishを選択すると、英文がご覧いただけます。 This article has an English version page.)

Q.日本に来て、玄関には段差が設けられており、そこで靴を脱ぐ習慣があることに驚きました。なぜ日本には玄関があり、敷居があるのですか?

A.玄関は「内」と「外」をわける境界

 まず大きな理由として、日本の置かれる地理的要因が挙げられます。日本は、高温多湿な島国であるため、家屋は高床式の湿気が抜けやすい構造に設えられています。そのため、玄関にも段差が設けられ、そこで靴を脱ぐという習慣が日本では定着しています。 次に「外」「内」を明確に分ける観念があるためです。歴史的に遡ると、貴族の屋敷や武士の武家屋敷には玄関がありましたが、庶民の住む長屋には玄関はありませんでした。玄関にあたる入り口から中に入ると、隣には土間が設けられ、そこで藁仕事などが行われていました。外と内の区切りである敷居をまたぎ、そこで履物を脱ぎ、板の間から畳の部屋に入りました。こうした形式が、日本の伝統的な住居の形式として根付いています。 ちなみに日本では、玄関は家の顔ともされ、絵や花、人形や写真などを飾る家庭が多くあります。一方の欧米では、大切な家族の写真などは暖炉の上に飾られています。

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2015年9月24日付け、The Japan News掲載広告から

 

 

 

 

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