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敬語はどのような経緯で生まれたのですか?

外国人留学生から見たニッポン

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文学部教授 吉田永弘

2015年9月28日更新

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Q.日本語の敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)はどのような経緯で生まれたのですか?中国では、丁寧な言い回しはありますが、日本のようなシステムはありません。

A.敬語の歴史は古代までさかのぼります

 日本語には、人物を「上位者」として表す専用の形式があります。話題に登場する人物のうち、主語で表す人物を上位者とする形式を尊敬語、目的語で表す人物を上位者とする形式を謙譲語と呼び、話題の聞き手を上位者とする形式を丁寧語と呼んでいます。 尊敬語と謙譲語は、古い日本語をまとまって観察できる8世紀の文献にすでに使われていることがわかります。したがって、それらがどのようにして生まれたのかわかりませんが、古代の身分制社会において、上下関係を表す専用の形式が必要とされて生まれたのだと考えられます。やがて10世紀になると、謙譲語から派生して丁寧語が生まれました。それぞれの形式は時代によって移り変わりがあります。時代がくだるにつれて、聞き手に対する配慮を重視するようになります。そのため、 現在の敬語は、身分の上下関係を表すためではなく、社会的なわきまえとして、ある人物を上位者として扱うことによって人間関係を円滑にするために使われていると言えるでしょう。

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2015年9月28日付け、The Japan News掲載広告から

 

 

 

 

研究分野

国語学

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