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「ちょんまげ」はなぜあのような形をしているのですか?

外国人留学生から見たニッポン

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文学部教授 根岸茂夫

2015年10月5日更新

(※画面の右上のLanguageでEnglishを選択すると、英文がご覧いただけます。This article has an English version page.)

Q.侍の「ちょんまげ」の髪型を見たときに、とても驚きました。なぜあのような形をしているのですか?

A.古くは髪をまとめて冠の中に入れるために結ったものです。

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   男子は古代から頭に冠や烏帽子を着用するのが一般的であり、その中に髪を纏めて入れたため、髪を纏めたのが髷の原型です。古代には冠などの中に入れるため、上に立てていました。ただ中世に入り武士の世の中になると、武士たちは、合戦に際して兜をかぶるために髷を解きました。また合戦のとき、頭に血が上るといって、頭部の髪を抜きました。これが月代(さかやき)で、頭部の前面から頭頂の髪を除いたものです。月代は剃るのでなく抜いたために、戦国時代に来日した宣教師ルイス・フロイスは、合戦には武士が頭を血だらけにしていると記しています。中世後期には一般に烏帽子などをかぶらなくなり、髷を後ろに纏めて垂らし、烏帽子や冠は公家・武士・神職などが儀式に着用する程度になりました。近世には、月代が庶民にまで広がって剃るのが一般化し、髷を前にまげて頭の上に置くようになると、丁髷(ちょんまげ)と呼ばれました。丁髷は明治4年(1871)断髪令が出たのち廃れ、現在では力士などが結うだけです。

 
 

 
 
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2015年10月5日付け、The Japan News掲載広告から

 

 

 

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