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浴衣のはじまりと帯結び

五感体感、日本。~留学生の日本フィールドワーク~

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國學院大學文学部教授 小川直之

2016年8月22日更新

 

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國學院大學で学ぶ留学生たちは、大学で行われたイベント「和装デー」で日本の七夕を体験しました。そこで生じた留学生の疑問に、本学教員が回答します。

 

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Q.浴衣の帯にはさまざまな結び方が見られました。

 浴衣のはじまりと、帯の結び方にはどのような意味があるのか教えてください。

A.浴衣は江戸時代にはじまった「普段着」です。

 現在いうところの「着物」は、袖口が大きく開いた「大袖」と呼ぶ衣服の下に着た「小袖」がもとになっています。小袖は11世紀後半から公家たちの間に広がり、その後は武家階級も着るようになりました。小袖が下着ではなく、表に着る衣服になったのは16世紀からで、江戸時代には武家や庶民の間でもこれが一般的な衣服となりました。

 衣服を着るのに紐ではなく、現在のような帯を使うようになったのは、小袖の広まりにともなってのことです。帯は、17世紀までは紐の幅を広げたもので10センチ幅程度でしたが、その後次第に幅が広くなり、女性の帯には30センチを超える広幅の丸帯が江戸時代中期から使われるようになりました。

 肌の上に直接着る浴衣の広まりも江戸時代からで、これは簡便な衣服であるため、帯も15センチ幅程度の半幅帯とか兵児帯(へこおび)などが使われ、その結び方も小袖よりも簡単なものが多いです。 帯の結び方は、使う帯によって異なるのが基本で、女性の浴衣では半幅帯が一般的なので、「文庫結び」とか「貝の口」という結びが普通ですが、これ以外にもさまざまな結び方があります。

 いろいろな結び方は、これを「装い」とする感性から生まれました。「装い」は、年齢に応じて、若い人なら目立つ「派手」な結び、年輩者ならひっそりとした「地味」な結びという区別をしています。

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2016年8月22日付け、The Japan News掲載広告から

 

 

 

 

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