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お子さんが集団生活で元気にのびのびと過ごすために

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國學院大學人間開発学部教育実践総合センター 唐沢はるみ

2016年12月1日更新

 私は、公立の幼稚園の教員を長い間やっていました。子どもたちが集団生活の中で元気でのびのびと楽しく過ごすために、ご家庭でのお子さんとのかかわりで大切なポイントを2つ紹介したいと思います。

 第1のポイントは、「お母さんやお父さんとのスキンシップは心の栄養」です。子どもたちは、幼稚園や保育園の生活が始まると、園での生活がいくら楽しくても、知らず知らずのうちに緊張をしているものです。お家に帰って子どもたちが一番リラックスできることは、お母さんやお父さんとのスキンシップです。膝に乗せてもらったり、抱っこしてもらったりと体で甘えられることは、集団生活の緊張感がほぐれてとても安心できます。お母さんからなかなか離れられないお子さんに対して、逆に甘えさせないようにしているお母さんがいらっしゃいます。しかし、そうすると子どもは余計にお母さんから離れなくなります。お母さんは子どもたちにとっての心の安全基地です。いつでも安心できて甘えられる基地があるからこそ、子どもたちは安心して出かけていくことができるのです。子どもたちにとってお母さんやお父さんとのスキンシップは心の栄養なのです。

 第2のポイントは、「絵本の読み聞かせは、子どもの心を育てる」です。多くの親御さんは、本が好きな子に育って欲しいと願っているのではないでしょうか。本の好きな子どもに育てるには、乳幼児期から絵本の読み聞かせをしてあげることが一番です。子ども自身に好きな絵本を選ばせて読んであげることが大切です。「うちの子は自分で読めるので、特に読み聞かせはしていません」とおっしゃるお母さんもいらっしゃいますが、自分で字が読めるようになったから読み聞かせをしなくても良いわけではありません。子どもは読み聞かせをしてもらうとき、絵本の世界に浸り、言葉を聞きながら絵をじっくり見たりイメージを浮かべたりしています。自分で字を拾い読みするのでは、それができないのです。自分で選んだ絵本を自分だけのために読んでくれているということに、子どもは親の愛情を感じて心が安定します。働いているお母さんは、家に帰ってからも大忙しですね。子どもとゆっくりかかわる時間はなかなか取れないと思います。でも、寝る前の絵本の読み聞かせは、10分ほどでも、子どもにとってもお母さんにとっても幸せな時間となります。よく、「同じ絵本ばっかり選んできて・・・」とおっしゃるお母さんもいますが、好きな絵本ができることはとても大切なことです。何回でも読んであげてください。絵本が大好きな子どもは、大きくなっても本が大好きな子どもになりますよ。 

 

 

 

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