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幼児期の運動体験が賢い子をつくる

子育てエッセー「すくすくポイント」

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國學院大學人間開発学部 子ども支援学科准教授 笹田弥生

2014年6月1日更新

最近の子どもたちの体力低下に歯止めがきかないという報道をよく耳にします。しかし、実は子どもたちの運動能力は、体をよく動かす子と動かさない子とでの二極化が激しいのです。最近の早期教育の傾向で、習い事で人気なのが水泳・体操・サッカー教室などです。ですが、子どもたちの専門的な運動体験には注意が必要です。12歳くらいまでの子どもたちには、同じ動きを繰り返すことよりも多様な遊びを通した豊富な運動体験の方が重要なのです。

特に基礎的な動きを獲得する乳幼児においては、寝返りからはじまり、ハイハイ、高這いと、這う・よじ登る・ぶら下がる・とび下りる・くぐり抜ける・滑る・転がるなどの全身を使っての運動が、上手に転ぶために必要な身体能力を育ててくれます。小さい子どもにとって上手に転ぶことはとても重要な基礎運動能力です。失敗のない運動体験は皆無ですから、子どもたちは失敗の中から獲得する成功体験で自信や知恵をつけ、少しずつ行動範囲を広げていきます。その結果、多くの事に興味を持ち、積極的にものを覚えます。よく体を動かす子どもは賢くなります。

幼稚園や小学校での集団生活には、体力も協調性も必要です。運動体験の豊富な子は、体力はもちろん日頃から身体をよく動かしているので柔軟性もついてきています。小学校3年生から始まる器械運動の授業にも、そう苦労をせずについていけることでしょう。しかし、運動体験の不十分な子どもたちは、姿勢よくじっと授業を聞けなかったり、体育の時間にも能力差で思い切り友達と遊んだり動いたりすることが出来ないということもあります。小学校低学年にとっては、体育の時間は給食と並んで特に楽しい学校行事でなくてはなりません。学校が楽しくなるかならないかは、この2つにかかっているといっても過言ではありません。

私の考える多様な運動体験の中には、「もっと器械運動を」という願いもあります。これは、なにも多くの人が想像するマット・とび箱・鉄棒といった、典型的な器械運動だけを指すのではありません。園庭や校庭、公園の遊具での運動も立派な器械運動だと考えています。遊具で、思い切り身体を動かし工夫して遊べる子どもは、運動好きで健康的に育ち、結果体力もつき、将来きっとスポーツ好きな素敵な青年になるに違いありません。

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