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生まれてくれて、ありがとう~子育てに満点はなし~

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國學院大學人間開発学部長 新富康央

2014年5月1日更新

春は、入園式、入学式、始業式と、子育てもすべての始まりです。新しい気持ちで、私たちも「子育て新学期」を迎えましょう。

「生まれてくれて、ありがとう」。多くの方が、当然の言葉と思うことでしょう。しかし、私を含めて、子育て真っ最中の時は、なかなかこの一言が言えないものです。子育てに一生懸命になればなるほど、どうしてうちの子はダメなの、どうして親の気持ちが分かってくれないの、どうしてこんなに親を困らせるのと、気持ちが萎えて落ち込んでしまいます。子育てに不安や悩みを抱えるお母さん方の助言の一つとしてお伝えしたいのが、「生まれてくれて、ありがとう」のこの言葉です。

つらい時、不安を感じた時、子育てに自信がなくなった時、自分自身にこの言葉を投げてみるのです。つぶやくのです。まじないのように効いてきます。そこから安心が、やすらぎが生まれます。

日本の子育て調査では、子育てについてのプラス評価が見てとれます。例えば、厚生労働省のアンケート調査でも、「子どもを持つことについての考え方」についての問いで、一番割合が高かったのは、「子どもがいると生活が楽しく豊かになる」が、50 8%でした。同じ調査で、「子どもはどのような存在か」という複数回答の質問でも、やはり

一番高かったのは、「生きがい・喜び・希望」という回答で、78.9%でした。それでは、「生まれてくれて、ありがとう」か、と言えば、現役お母さん、お父さん方の子育て実感とはだいぶ違うようです。本音と建前です。アンケート調査項目の文章に「日々の子育ての中で」という一言がつけば、おそらく「そんなこと誰が言えますか」ということになるでしょう。それが、私の講演会や悩み相談に来る保護者の方の、多くのご意見です。

子育てに満点はありません。「これでなければならない」という育児モデル(教科書)はありません。それだけに大切なことは、こうした子育て情報を読んで、子育てに悩み、子育てのあり方に関心を持っている仲間と子育てネットでつながっているのだという連帯感を持つことです。自分は一人孤独ではない、という実感こそが大切です。また、自分が子どもの時に、親のどのような言葉に励まされたか、逆に、どのような言葉が欲しかったか、思い出してみてください。これこそが、一番の教科書です。 その時、お子さんは将来きっと、「生んでくれて、ありがとう」と返してくれるでしょう。

長い目で見て、子育てをがんばりましょう。

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