野球のボールを投げるだけで球速や回転数、回転軸が分かる-。そんな画期的な解析システムが開発されました。國學院大學人間開発学部の神事努准教授が携わった、ミズノ社の「MAQ(マキュー)」です。
小型センサーが内蔵されたボールを投げると、回転数などのデータがスマートフォンに表示されるこのシステム。ボールは実際にプロ野球などで使用される硬式球と同じ革を使用し、重さも同じです。違和感なく投球することが可能で、これまで球速や回転数を計測する際は大がかりな装置が必要でしたが、MAQでは簡単に測定できるようになったとのこと。同社では来年春にボールと充電器の発売を予定しています。
神事准教授はボールの回転や動きに関する研究を重ねており、今回の開発にはアドバイザーとして携わっってきました。神事准教授によると、これまで曖昧に表現されてきた投球の「キレ」や「伸び」を、球速や回転数で分析することができるとのこと。例えば、球速のわりに回転数が多いとボールは伸び上がり、回転数が少ないと「垂れる」ボールになると言います。9月4日に東京都内で行われたミズノ社の記者会見に出席した神事准教授は「球速と回転速度のミスマッチ(平均からずれた)ボールを投げると打ち取れる。(MAQを使うと)打ち取れる投手の特徴が分かってくる」と話しました。