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第7回観月祭 楽人の所感

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神道文化学部長 武田秀章

2017年2月27日更新

最後の観月祭(神道文化学部4年 武田さん)

武田さん

武田さん

今回の観月祭で4度目の楽人奉仕をさせていただきました。このたびは、熊本地震復興祈願を籠めて行われるということもあり、例年以上に身を引き締めて臨みました。
今回、私は、管弦・舞楽共に助管を勤めました。笙の手移りや張り方に留意しながら、主管の人たちの後押しを心掛けて演奏しました。
1年次ら3年次まで打ち物を担当していたので、その経験を生かし、後輩に打ち物の譜の見方、打ち方、桴の握り方なども伝授しました。こうした形で後輩の役に立つことができたことも嬉しく思っています。

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観月祭は、大学当局はじめ先生方や斎庭係の学生等、多くの方々のご支援により運営されています。
今回も、恵まれた環境の中、厳かな観月祭を、滞りなく執り行うことが出来ました。心より感謝申し上げます。おかげさまで、多くの仲間と共に、貴重な経験を共にできました。
先生方の御指導を糧として、これからもライフワークとして雅楽を研鑽していきたいものと願っています。
本学は日本の心を大切にする大学です。これからも観月祭や成人加冠式などの大学行事が恙なく継承されていくことを願っています。

 

皆で作り上る観月祭(神道文化学部3年 山名さん)

山名さん(左)

山名さん(左)

観月祭のご奉仕も三回目となりました。今回もまた、自らの役割を無事に果たす事ができました。この祭に携わって下さったすべての方々に、心より感謝申し上げます。
思えば、五月の顔合わせから本番まで、時間の流れはとても早いものでした。それだけ実のある稽古をしていたのだと思います。特に夏季休暇明けからの稽古は苛酷でした。
私は青葉雅楽会の会長として、会員を引っ張っていかなければならない立場にありました。さらに篳篥の吹き手として、合奏全体をリードする役割も果たさなければなりません。稽古中、こうしたプレッシャーが重なり、一方ならず苦しい思いをしました。
本番も近くなったある日、先生がこう仰いました。
「君は全員を引っ張ろうとする気持ちが音で出ている。だがそれはいい音ではない。自分が本来持っているいい音で演奏しなさい。そのためには、どういった取り組み必要なのか、一から考え直しなさい…」

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おかげさまで私は大切な事に気付きました。観月祭はサークルや学部の枠を越えた一大行事ですが、それは学生たちが自らの手で作り上げていくものです。自分のことだけではなく、全体の一員としての貢献、皆と「和」する心が大切であることに気付きました。
力を併せて「私たちの観月祭」作り上げていくためにはどうすればよいのか、様々な思いを巡らせながら当日に臨みました。
本番では、管弦太食調音取と傾盃楽急の音頭をさせていただきました。昨年とは違うポジションでの演奏だったので、とても新鮮な経験となりました。
来場して下さった方々や先生方のお顔がよく見えて緊張しましたが、十分に周りの音を聞きながら演奏することができたと思います。
舞楽の演奏後、舞人の方々から「今までの中で一番舞いやすかったよ」と言われた時は、思わず目頭が熱くなりました。
今回も観月祭に今年も関わる事が出来て、大変嬉しく思っています。精神的にも身体的にも厳しい局面が多々ありましたが、皆で作り上げた達成感、自分の限界を超えてご奉仕出来た嬉しさに勝るものはありません。
観月祭の経験は、私の生涯の宝物です。来年もまた何らかの形で観月祭に関わりたいものと願っています。

 

全員の心がひとつとなって(神道文化学部3年 永野さん)

永野さん(右端)

永野さん(右端)

第七回目の観月祭。私は、管絃では笙、祭祀舞と左舞では鞨鼓、右舞では三ノ鼓を、それぞれ担当させていただきました。
今回は私にとって三度目の観月祭でしたが、打ち物を奉仕するのは初めてでした。最初は打ち方もわからず、先生のご指示についていくだけで精一杯でした。
けれども、友人や先輩、先生方に助けていただき、合同稽古を重ねていく中で、何とか楽や舞に合った演奏ができるようになりました。
直前までは不安と緊張でいっぱいでしたが、いざ本番がはじまると、時間はあっという間に過ぎていきました。

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全員の心がひとつとなって演じられた舞や楽の数々を、私は決して忘れることはないでしょう。
観月祭は、毎年数多くの方々にご来場いただき、大学や神社界はじめ様々な方々に支えられて、盛大に行われます。この本学ならではのゆかしい行事に携わることができたことを、大変嬉しく思っています。
普段の生活の中では決して得ることのできない達成感や充足感を、この観月祭という行事において体験することができました。
私どもを支えていただいた皆様方に、心からお礼申し上げます。

 

稽古の成果が花開きました(神道文化学部3年 佐々木さん)

佐々木さん(中央)

佐々木さん(中央)

今回の観月祭は、入学以来、二度目のご奉仕となりました。
去年は管絃の主管を任されましたが、今回は舞楽の主管を担当させていただきました。
管絃と異なり、舞楽は、舞人の一挙一動に合わせて曲調を構成していきます。そのため、中々実際の感覚を掴むことが困難で、何度も稽古を重ねました。
私が主管を担当させていただいた舞楽・延喜楽では、普段の龍笛とは異なる「高麗笛」を用います。慣れない楽器で、美しい音を出すのに苦労したことを、まるで昨日のことのようによく覚えています。

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稽古の日々は本当に大変でしたが、当日本番、それまでの稽古の成果が花開いていくかのようなあの感覚は、到底忘れることが出来ません。
稽古中、何もかも投げ出したくなった経験はそれこそ数えきれません。
その分、やり遂げた時の感動と達成感もひとしお、というところが、観月祭の憎いところではないでしょうか。

 

武田秀章学部長より

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「…この経験を単なる思い出にとどめず、社会に出てからも、日本文化の具現者として大いに活躍してもらいたい。東京オリンピックまであと5年。神道精神・日本伝統文化を体現することのできる神道文化学部の学生諸君の、更なる成長を祈念して止まない…」
以上は、一昨年観月祭に参列した事務職員の方のメッセージです。
もはや東京オリンピック開催まであと1200日余り。
まことに観月祭の経験を単なる思い出の域にとどめてしまうのは、あまりにも勿体ないのではないでしょうか。
観月祭を担った学生諸君が、「建学の精神」を胸に刻み、身をもって「日本のこころ」のメッセンジャーとして活躍していくことを、衷心から期待してやみません。

(写真 神道文化学部教員・学生有志)

このページに対するお問い合せ先: 神道文化学部

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