私は高校を卒業して東京大学法学部に入学しましたが、そのときは法曹の道に進むという明確な目標はありませんでした。
卒業後、予備校で仕事をしていましたが、法学から離れてみると、日に日に法曹への思いが募り、本当に私がやりたいこと、すべきことがはっきりとわかりました。
國學院大學法科大学院を選んだのは、説明会にうかがった際、教職員の方々の応対がとても良かったことと、リーガルクリニックをはじめとした実務教育が充実していることを知ったからです。
リーガルクリニックは、弁護士の先生について、実際の訴訟における弁護士活動を実体験するカリキュラムです。事件の現地を歩いて証拠を集めたり、関係者に証言のお願いをして回ることも、弁護士の仕事であることをこの授業で初めて知りました。また、被疑者に何度も会って話を聞くと、被疑者にもさまざまな事情や事実があることがわかり、本当に力になりたいという気持ちが高まりました。しかし、私たち学生が3人でチームとなり、意見書や保釈申請の書類を作りましたが、検察官や裁判所を納得させる理由や証拠を明示する書類を作るだけでもとても大変で、自分たちの未熟さを感じ、もっと勉強を重ねなくては人の力になれないという思いを強くしました。
また、指導してくださった弁護士の四宮先生には尊敬の念を抱きました。先生は豊富な知識だけでなく、人間性、人格も素晴らしく、被疑者の方から全幅の信頼を寄せられていました。真摯、謙虚、親しみやすく、人と人のつながりを大切にする紳士です。このような人間性を磨くことも弁護士として大切であることを実感しました。座学だけでは知ることができない、さまざまなことを学べたリーガルクリニックは鮮烈で、弁護士になる意欲をさらに高めてくれた体験でした。
私は法科大学院修了直後に、司法試験に合格することができました。一日12時間以上の勉強が続きましたが、先生方や職員の方々は随時声をかけたり、アドバイスしてくださいますし、学習アドバイザーとして指導してくださる弁護士の方々は受験に向けたきめ細かいサポートをしてくれました。また、クラスメイトは教えあったり、悩みを聞きあえる良き仲間で、同じ目標をもった同士のようなつながりでした。このような人たちに支えられて、私は勉強を続けることができました。
周りの人に自然に手を差し伸べる環境がある國學院大學法科大学院だからこそ、「人に寄り添う弁護士」が育っていくのだと思います。