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2015年度司法試験合格者 渡邊 さち穂さん

  • 卒業生
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2016年1月13日更新

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 法曹を志したきっかけは、14年間の社会人生活で勤務先企業の合併を2回、経験したことにあります。合併に伴い、今まで築き上げた人間関係やスキル、実績などはほとんど失われ、新設会社で、ゼロからのスタートを送らざるを得ませんでした。そのような経験を経て、組織に囚われず、自分のペースで主体的に仕事が出来る法律資格職を志向し、学習を始めました。
 とはいえ、その当時、私は年齢的には、すでに中年で、法律知識はゼロ、おまけに子どもの頃から机に向うのが嫌いで必要最小限の勉強しかしてこなかった状態でした。このような自分が、最難関の国家試験の一つである司法試験を目指すことは、今考えると本当に無謀な挑戦でした。

 國學院大學法科大学院に入学したのは、家から通いやすく、少人数で、学生と教授陣の距離が近い恵まれた学習環境に魅力を感じたことと、学生の年齢層も比較的高かったため、年配者でも気後れすることなく、学生生活に臨むことができたからです。
 法科大学院に入学後は、法学部卒の若い人が諳んじているような基本的な知識や概念も知らず、法律学の壁の高さを痛感し、心の折れる日々でしたが、先生方は、こんな自分に本当に根気よく指導して下さったと思います。
 特に忘れられない講義は、3年次に受けた西谷先生の応用演習(都市・土地・住宅法)です。受講生2名にも拘わらず、毎回、重要判例や法の仕組み解釈等が載せられた分厚いレジメが配られるのです。予習にレジメを一通り読むだけでも一苦労でしたが、授業中も度々学生に発問されるので、この人数では逃れられず、毎回毎回が真剣勝負でした。サボり魔の私ですが、あれだけ入念に講義の準備をされて臨んでくださる先生の姿勢に打たれ、少しでも応えようと必死で勉強しました。

 このように在学中は恵まれた学習環境にあったものの、修了後は仕事に就いたため、大学に寄りつくことはなくなり、マイペースに勉強をする日々を送りました。試験結果も芳しくなかったため、法曹への挑戦をあきらめ、違う道に進もうと試行錯誤し、勉強を中断していた時期もあります。
 そういった日々を過ごすうちに、気が付けば、あっという間に修了後4年が経ち、気力を振り絞って、最後のチャレンジをすることを決意しましたが、こんなとき頼るべきは大学でした。先生の方から、ゼミに呼んでくださるなど、まるで昨日修了したかのように温かく迎えていただき、手厚いサポートを受け、おかげさまで今年の合格を勝ち取ることができた次第です。私のような中途半端な学習姿勢では、他大学では、他の真剣な学生に埋もれてしまい、顧みられることもなかったと思います。この合格は、少人数指導で学生や修了生に目が行き届く本学に通っていたからこそ、手に入れることができたものです。

 よく言われることですが、司法試験の合格は通過点に過ぎません。いろいろな社会経験や紆余曲折を経た上で、この通過点にたどり着くことができた私ですが、この経験を糧に、先生方からいただいたサポートを社会に還元するべく、今後も精進を続けたいと思っております。

このページに対するお問い合せ先: 大学院事務課(法科大学院)

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