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チームを想う強さを受け継ぐ(後編)

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陸上競技部 向晃平・土方英和

2018年3月20日更新

—対談の後編を始めるにあたって、一枚の写真を見ていただければ。これは、今回の箱根駅伝で、復路ゴール地点の大手町で、アンカーの江島崚太さんを迎えたときの向選手です。
 
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向晃平選手(以下、向):めちゃくちゃ笑顔だ……(笑)。
 
—この心からの笑顔は、それまでの充実した日々がなければ出ないものなのではないかと思います。おふたりにとって、この1年間はどういう1年でしたか。
 
向:主将の立場として思うのは、箱根で好成績を出した選手も多く、そうした上位の選手の“個の力”はレベルアップできた一年かな、と。これからの1年は、全体を引き上げて上下の差を埋めていく年になるのかな、と感じます。僕は足を引っ張ってしまったし、いまは引退した身ではありますが、全体としてはもっと上を目指して取り組めるチームになったのではないでしょうか。
 

土方英和選手(以下、土方):僕は去年、少し故障してしまった期間があり、その後貧血にもなってしまって、春から夏にかけてかなり出遅れ、焦っていたんですね。でもそのときに、全日本大学駅伝関東地区予選会で向さんや、2年生の浦野雄平さんたちがすごい走りを見せてくれて(編註:2017年6月におこなわれた同大会で、國學院大學は3時間57分43秒15で3位に。歴代最高順位・最高記録となった)。自分にとてもいい影響を受けました。このふたりに近づく練習をしなければいけない、と心から思って、改めて真剣に練習に取り組むことができました。主力の先輩が故障したときも、「自分が頑張らないといけない」と、どんどん責任感が芽生えていった。それが箱根駅伝の予選会から全日本や、(区間新・國學院歴代1位の記録を出した)箱根の本大会のレースまでの、自分のレースの結果につながっていったと思います。

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—向さんが背中で引っ張っていったわけですね。

 向:いやいや……(笑)。
 
土方:でも本当に、そう思っているんです。
 
—そうした刺激的な仲間たちとの日々は、アスリートとしてとても意義深いものですよね。
 
土方:自分がどんなによい結果を出したとしても、決しておごることのできない仲間がいる、という状況はすごいことだと思います。誰も天狗になることなく、切磋琢磨しながらどんどん競技力を上げていける。
 
向:一人のアスリートとして、考え方が成長したと思っています。人数がこれだけ多いのも学生の部ならではですし、競技に対してもいろんなアプローチをする選手がいて、そこから学ぶこともたくさんありました。自分より頑張っている選手、結果を出している選手がすぐ近くにいて、「ヤバい、やらなきゃ!」と思えるんです。同時に、自分は怪我が多かったために焦ることもたびたびだったのですが、その焦りを「大丈夫だから」「無理せずに確実に上がってきたほうがいいよ」といってくれる仲間や先輩がいたことも、本当にありがたかったです。そこでハッと、自分がどういう取り組みをしてきたか改めて気づいて、じゃあこう変えていこうと思えることも多かったんですね。
 
—充実した環境が整備されている寮生活を含めて、國學院大學の陸上競技部で競技生活をおくるということは、アスリートとしてどういった意義があるのでしょうか。
 
向:練習環境や寮にかんしても、本当に恵まれています。練習前にストレッチやウォーミングアップに使う道具、テーピングや給水用のドリンク、プロテインなどはすべてマネージャーが用意してくれる。練習して寮に帰ってきても、ケアのための器具がトレーニング室に置いてあって、自由に使うことができる。食事についても、管理栄養士の方が選手個人個人に面談をして、ひとりひとりに合った食事を提供してくださいます。それが当たり前の生活だったということに、最近改めて気づきました。走ることだけに集中できる環境があることのありがたさを感じますね。
 

土方:寮がある場所もとてもいいですよね(編註:東急田園都市線の二子新地駅近くに陸上競技部の寮は位置している)。キャンパスにも都心にも近いというだけでなく、練習環境としてもすごくいい。すぐ近くには多摩川の河原があって、少し走れば砧公園や駒沢公園もある。どこでどう走るか、自分で自由に考えてジョグに行けるということが、この大学の、この寮の場所ならではだな、と強く思います。

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—最後に、これまでの学生生活を改めて振り返ると、いかがですか。こんなにひとつのことに打ち込んで、充実した日々をおくってきた/いるという経験は、ご自身の人生にとっても非常に大きなことなのでは。

 
土方:自分はこの2年間、生活の100%が陸上競技という毎日をおくっていて、すごく充実していると感じています。勝負の世界ですから、単純に「楽しい」というのはおかしいのかもしれないんですけれども、それでももともと楽しくて走り始めたわけですので。いまは「楽しい」という気持ちに溢れています。
 
向:僕はこれから競技を続けていきますが(編註:この春からマツダ陸上競技部に所属する)、この4年間、陸上競技と向き合ってきて、自分を見つめ、自分と戦う機会がすごく多かった。自分自身が人として成長できたかな、という実感があります。もうひとつ、一緒に生活し、一致団結した大事な仲間ができたことは、学生ならではの経験だったと思います。いちアスリートとしても、チーム力の大切さが身に染みて学ぶことができました。普通だったら、単なる学生時代の友だち同士で終わっちゃうこともあるかもしれないですが、この環境だったら、ただの友だちじゃいられないというか。誰かがやるから自分もやらないといけないですし、人に助けられることも本当に多かった。友だちよりずっと深い、一緒に戦ってきた仲間は、一生残ると思います。そうした仲間に出会えたことが、一番嬉しいですね。
 

 

 

 

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