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自信をもたせ、頑張りのきく子を育てる

「自分には良いところがある」という自己肯定感、「自分もやればできる」という自己効力感が高い子は、必要と感じたとき頑張りがきく

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人間開発学部教授 杉田 洋

2017年7月4日更新

sukusuku_kininaru_s 一般に、頑張りがきく子ときかない子、大人になって伸びる子と伸びない子がいます。そこには、自分への自信が深く関わっていると言われています。例えば、「自分には、良い所が一つもない」と思ったらどんな人も頑張れません。また、「どうせ頑張ったって…」と思えば自分から努力もしないでしょう。

 しかし、逆に「自分には良いところがある」という自己肯定感、「自分もやればできる」という自己効力感が高い子は、必要と感じたとき頑張りがきくのです。そしてこのような自信のある子は、学力も高く、思いやりも深いのです。

 ならば、どんな親も「そんな自信を我が子に」と願うでしょう。しかし、簡単なことではありません。例え、どれだけ親が繰り返し褒めても、子供がそう思わなければ…、つまり自信が子供の主観だから指導が難しいのです。

 とはいえ、その原則はあります。第一に、できるだけ子供に自分で決めさせることです。そうすればこそ頑張りもするし、「自分もやればできる」と思えるからです。たとえ上手くいかなくとも「努力することは大切だ」と、体得もするでしょう。

 第二に、「なりたい自分」を明確にもたせることです。「何をどこまでしたい」など、具体的な願いにするのです。そのためには、「こうしなさい」ではなく、「どうしたいの」と聞いてあげなければなりません。

 第三に、その願いに向かってする努力や頑張りを見逃さず、グッドタイミングで褒めることです。小さな成功体験を積み重ねるのです。

 その逆は、無視と否定(叱り)の繰り返しです。赤ん坊は、おっぱいが欲しい、おむつが濡れたといくら泣いても、その対応をしてもらえなければサイレント・ベイビーになります。「どうせ…」と無気力になってしまうのです。

 では、幼稚園児が育ててきた野菜を少々遠い調理場まで運ぶ場面で考えてみましょう。我が子が大きく重い野菜に耐えられず、座り込んで泣き出したとしたら、親としてどう関わるでしょうか。「最後まで頑張りなさい」と叱る。「重いよね、一緒に運んであげるから頑張ろう」と共感する。正解はないのですが、自信を引き出す親は、「どうしてこんな重い野菜をここまで運んできたの?」と問い、「食べたいから」という子供の思いを引き出し、「どうしても食べたいのなら、最後まで運ばなきゃね」と自ら頑張る力を引き出すそうです。

 昨今では、何かと大人からの指示にまみれ、他者決定に依存する指示待ちの子が増加しています。また、親はやたらと叱ってしまいます。できて当たり前と思うから叱るのです。でも、「できて当たり前」ではないのです。

 まずは、我が子を信じ、失敗を恐れず、任せてみることから始めてみたいものです。

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