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次の10年見据え、組織強化を

創立140周年 学校法人國學院大學・佐栁正三理事長に聞く【後編】

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学校法人國學院大學 理事長 佐栁 正三

2022年11月4日更新

 学校法人國學院大學は今年11月、創立140周年を迎える。今年度新たにスタートした「学校法人國學院大學中期5ヵ年計画」や、今後の法人経営について佐栁正三理事長に聞いた。

――令和4年度から令和8年度までの5カ年の新中期計画がスタートした。「創立150周年に向けて、法人組織を強化するとともに、絶えず変化する環境に対応できる人材を積極的に養成し、社会に貢献する学校法人を目指す」という基本方針を打ち出した狙いは

 法人組織の基本方針において、最も大事なことは人材育成です。「教職協働」という言葉の通り、教職員が大学の掲げるビジョンやミッションの達成に向けて協力することが重要です。

 社会が大きく変化する中で、最新の教育政策をはじめとする専門知識の習得、リスキリング(職業能力の再開発や再教育)が必要です。今、國學院大學では職員の大学院進学を奨励し、学費の一部を補助する支援策を行っています。既に大学院へ進み、難関国家資格を取得したり、大学経営について学んだりしている職員が複数います。今後は大学以外の職員にも対象を広げる方針です。

 学内の人材育成とともに外部人材の採用も積極的に進めています。経営などの専門知識を持つ人材を採用しています。職員一人一人が自分のポジションで変革に向けた提案ができる環境づくりに努めていきます。

――人材の育成と並んで法人として重視する点、実現したいことは

 社会への貢献が非常に重要だと考えています。本法人の各教育機関で学んだ学生生徒が、卒業後に修得した知識・技能を実践する人間になっているかということです。例えば、國學院大學は神職を養成していますが、神職は地域の精神的支柱でもあり、頼られる存在です。また、まちづくりの中心となって活躍している院友が多くいます。地域・社会の中心になる人材を育てることも教育の原点です。今年開設した観光まちづくり学部では観光を軸に持続可能な「まちづくり」について考え、多様な側面から地域貢献する人材を育てていきます。

 また、北海道滝川市にある國學院大學北海道短期大学部は、中空知地区の教育基盤となっています。大学への編入学を目指す学生が多い一方で、小学校・幼稚園教諭や保育士の資格取得ができるため滝川市の周辺の地域から集まった学生たちが、卒業後に地元で小学校・幼稚園の教員や保育士として活躍しています。

 今回の中期計画では基本方針の達成に向けて4つの柱を掲げました。達成するためにPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルを回す必要があります。特に財政面では10年、20年先を見据えなければなりません。例えば現状では奨学金は毎年の予算の中から支出されていますが、本来は基金のもとで行うのが良いと思っています。将来的にはファンドから奨学金を出せるよう財務基盤を強化したいと思っています。

学校法人國學院大學中期5ヵ年計画

――創立150年に向けた次の10年に法人としてどのように取り組むか

 時代の変化が早くなる中で、DX推進や人材育成をこれまで以上に加速させます。私は今、職員に積極的に政策提案してほしいと呼び掛けています。学校法人の構成員一人一人が各部署の課題を見つけ問題意識を持ち政策提案することは、これからの法人運営において非常に重要になってくるでしょう。ボトムアップの提案は組織を強くします。理事会としても教職員と意見交換の場をこれまで以上に持ちたいと考えています。

 また、法人としても教職員の女性比率を高め、職員の学位取得支援やオンラインを活用した働き方改革を推進します。國學院の歴史や学統を大切にしながら、次の10年に向けて新たな道を切り拓いていきます。

 

 

 

 

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