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渋谷には、人の活力を引き出す環境がそろう。

SHIBUYA CONNECT vol.2 渋谷区

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國學院大學・学長(当時) 赤井益久

2014年8月4日更新

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(左)渋谷区長 桑原 敏武
(右)國學院大學学長 赤井 益久

國學院大學の赤井益久学長は、「環境が人を育てる」と語る。行政として「人づくり」に力を入れる桑原敏武渋谷区長と共に、渋谷の魅力や将来像を話し合った。
制作・東洋経済企画広告制作チーム

「渋谷の街の空気」が人を育てる

赤井 「教育は国家百年の大計」とも言います。「こういう教育をしたからこういう人間ができる」と一朝一夕に決まるものではありません。やはり長い目で計画的に物事を進めていく必要があると考えています。むろん、それと同時に学ぶ環境も大事です。いわば「國學院大學の空気」のようなものが人を育てると感じています。

桑原 貴学には、さまざまな取り組みでご協力いただいています。また、貴学は國學院という名前の通り、日本の文化を研究・教育されるとともに、外部に対してもその知見を発信し伝えていますね。

赤井 本学はミッションとして、「伝統と創造」、「個性と共生」、「地域性と国際性」の調和の、三つの慮(おも)いを掲げています。「個性と共生」をうたっている理由は、個性を尊重しながらも、人は決してひとりで生きてはいけないと考えるからです。家族や地域社会、さらにその上の社会である都道府県や国家などというように、人間は循環した関係の中に存在します。

三つの慮いの具体策として、本学では推進研究の一つに「共存学」を掲げています。これは「渋谷を科学する」というテーマの「渋谷学」の研究とともに、本学の大きな特色になっています。また、本学は神道精神を研究・教育の理念としています。神道は地域社会と密接に結びついた考え方に特長があります。こういったことからも、本学にとって「渋谷」の街は、いわば本学の「空気」と言えるほどの関係だと感じています。

桑原 私自身、渋谷区の行政に携わるようになって20年以上になりますが、外国人観光客の増加などをみても、年々、渋谷の注目度が高まっているように思います。その理由を考えますと、一つは、お話のキーワードにもあったように、新しいものと古いものが「共存」していることではないでしょうか。たくさんのファッションデザイナーやITクリエーターが集まり、最先端のトレンドを発信する街でありながら、一方で明治神宮や金王八幡宮ほか、歴史と伝統のある神社や仏閣が数多く残っています。

さらに特筆すべきは、渋谷区は住宅地が多いことです。いくらきれいな建物が並んでいても、休日になるとがらんとする街は寂しいものです。渋谷なら、平日でも休日でも、人が訪ね、生活する活気があります。

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國學院科目:國學院大學では、特色ある教養教育推進のため、伝統文化体験型も含む授業群を「國學院科目」として開講している

多くの教育機関が集まる「渋谷イースト」

赤井 ちなみに、渋谷で注目されるスポットと言えば、センター街や公園通り、道玄坂など、どちらかと言えば、渋谷駅の西側のエリアです。渋谷は「遊びの街」というイメージがあるかもしれませんが、本学以外にもいくつかの大学や多くの教育機関が存在しています。その点では、渋谷は文教地区の顔も持つと考えられます。これらの多くは渋谷駅の東側に位置しており、私はこのエリアを「渋谷イースト」と表現してもいいのではないかと考えています。

桑原 渋谷駅東口の開発も進んでいます。副都心線が完成し、将来は東横線跡地に遊歩道や広場もできる予定です。西口と東口の回遊性はさらに進むのではないでしょうか。

これから大切なのは、次代を担う人材、特に若い感性です。渋谷区ではかねてから、若い人たちの育成に力を入れています。フィンランド共和国への児童派遣や北京市の家庭へのホームステイ事業を行っており、今後は、ドイツでのサッカー研修も予定しております。また、渋谷区文化総合センター大和田では、ファッション・デザインの分野で活躍する若手人材の育成を支援するほか、アトリエや展示スペース、ショーのできるホールなどを安価で利用できるようにしています。

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フィンランド共和国児童派遣研修:渋谷区立小学校の児童たちをフィンランド共和国へ派遣。現地児童をはじめ海外文化とのふれ合いを通じて、次代を担う人材の育成を推進している

独自のプル型・プッシュ型人材を育成

赤井 このような多くの顔を持つ渋谷との「共存」を大切にしながら、グローバルに活躍できる人材を育てたいと考えています。本学は日本文化の研究・教育の拠点として、学生たちにもグローバル化の時間軸・空間軸の認識を与えたいと思っています。その一つが「ランゲージ・ラーニング・センター」の設置で、ほかにもラーニング・コモンズ(共有の学習スペース)の拡充など、ハード・ソフト両面での学習環境の整備を進めています。

また、海外へ出て行くプッシュ型の人材育成だけでなく、海外から日本を訪れる方々に日本文化を知っていただき、その良さを理解してもらえるプル型の人材育成にも力を入れています。

桑原 グローバル化が進むほど、自国の歴史や文化への正しい理解が大切になるでしょう。そういう意味では、その原点となる考え方をしっかり学べるのが貴学だと思います。これからも優れた人材を輩出してほしいと願っています。

赤井 ありがとうございます。

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