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「ジャガ芋子育て論」~3つの教え~

子育てエッセー「すくすくポイント」

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國學院大學人間開発学部長 新富康央

2013年12月1日更新

「育児無しは、意気地無し」。これは私の持論です。お父さんたちも育児にがんばってください。クッキング・パパを気取った際、重宝する食材は、やはりジャガ芋です。そのジャガ芋から子育てのヒントを探してみました。

「総合的な学習」という授業の中で、農家の方からジャガ芋栽培を学んだ中学校があります。農業体験から、農業が日本文化の基盤であることを体得させようとしたのです。その体験談は、現代の子育て論にも通じるものでした。名付けて「ジャガ芋子育て論」です。

1.「腹八分目」

おいしい芋がたくさんできるようにという願いを込めて、生徒は大量の肥料を土壌にすき込みました。しかし、実地指導をしてくれていた農家の方に叱られました。

「肥料を大量に使って大きくなった芋は、中は旨みがなく、商品にならない」、と。

実際の農業を知らなければ、与える肥料の差が、ジャガ芋作りの成否を分けると思いがちです。だが、実際は、栄養過多だと、芋自身が旨くなろうとしなくなるのだそうです。適度の肥料だからこそ、自分で旨みを出そうと努力するのです。これを、子育てに当てはめてみることができます。子どもへの愛情と思って、十分な環境を与えることが、子ども自身の、自分の「よさ」を求めようという気持ちを、逆に無くしてしまうのです。おいしく育たないのです。飽食の時代と言われる今日、愛情を「腹八分目」に抑えることが、子育てに必要なのです。

2.「先回りしない」

ジャガ芋の収穫が近づいたころ、雑草を抜こうとして、生徒たちはまた叱られました。

「今は抜いたらダメ。根が一緒に切れてしまう」、と。

これも子育ての教訓です。思春期の子どもに対して、私たちはつい遠慮してしまいます。先回りして、彼らの前に立ちはだかる障害を取り除いてやろうとします。しかし、それでは、「一人前の大人として扱われたい」という思春期特有の子どもの気概を奪ってしまいます。目の前の障害や壁を乗り越えてこそ、子どもは大きく成長します。私たちは、そのチャンスを奪ってはいけません。

3.「くぼみにこそ成長の芽」

収穫すると、ジャガ芋の大切な芽は、くぼみ・へこみにあることに気付きます。ジャガ芋は、こすれ合った際、芽が取れないように、次の世代に継ぐための大切な芽を、くぼみに隠しています。実は、その子の中で一見へこんでいるような箇所にこそ、成長の芽があるのです。子どものくぼみ・へこみこそ、成長の鍵が隠されています。

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