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親子の絆を確かなものに

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國學院大學教育開発推進機構教授 塩谷 香

2017年1月1日更新

「子どもの人格の基礎を育むのは家庭」

 昔も今もどんな家庭に生まれ落ちるかは、その子どもの人生を大きく左右する重大なことです。経済的に恵まれることも幸せかもしれませんが、もっと大切なのは、家族が愛情で結ばれ、絆がしっかりとできていることです。家庭の中で大事にされ、かわいがられて育つことが、子どもの人格形成上、最も大切なことだと思います。かわいがられて育つことで、自分は大丈夫だという自信がつき自己肯定感が育ちます。意欲的にさまざまなことに挑戦し、頑張ろうという力もわいてくるのです。家族はいつも自分がどんな状況になっても味方でいてくれるのだという安心感は、生きていく上で何にも代えがたい強い力になります。

「いい子=親にとって都合のいい子?」

 育児に大きな不安を持つお母さんのお話を聞いていると、今までの人生で勉強もしっかりとやって家庭でも親の期待に応えてきたいわゆる「いい子」だったお母さんが多いようです。自分が親にされてきたように子育てする方が多いと思いますが、そうした育ち方で自分を振り返ってみてどうだったのか、自分の子どもにはどんな生き方をしてほしいのかを、改めて考えてみてほしいのです。子どもに厳しく「いい子」を求めすぎて、過剰な期待を押し付けると、子どもが自分を出せずに個性や主体性を伸ばす弊害となることがあります。つまり、自信がなく自己肯定感も持ちづらい、ということになりかねません。「いい子=親にとって都合のいい子」になってはいないか、よく考えてみたいものです。

「子育てを通して親も成長できる」

 思うようにはいかないのが子育て、順調に進まないのも子育てです。しかし、子どもも悩み苦しみ、けれど成長しようと懸命に生きています。どこまでも親を信じ、大好きでいてくれます。乳幼児期はそれを素直に表現してくれる、親も子育てを最も楽しめる時期なのです。親を純粋に求めてくれるこの時期は、人生の核となるものをつくる大切な時期でもあります。大変かもしれませんが、親も子どもに誠実にかかわる必要があると思います。そうすることで、必ず親も人間として成長することができます。子どもといえども一人の人間であり、幸せに生きる権利があります。真剣に向き合いながらも、共に生きることの喜びを感じていただきたいと心から思います。

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