國學院大學と心游舎が共催する「新潟米作りワークショップ(田植え)」が平成30年5月19(土)・20日(日)におこなわれました。
「新潟米作りワークショップ」とは、新潟市内の宮尾農園さまをはじめ、地元の方々にご協力いただきながら、米作りの自然農法を体験し、日本文化を学んでいくというワークショップで、複数の学部の学生が参加しています。
「田植え」「草取り」「稲刈り」と米作りに欠かせない作業と、農家の方々との交流を軸にしたワークショップであり、神道文化学部の学生も多数参加する行事です。
田植え作業の様子と農家の方々との交流を、学生の感想とともに振り返りながらご紹介します。
【1日目 オリエンテーション】
一日目のオリエンテーションでは、農家の方々から新潟の地形や米作りの歴史について説明していただきました。クイズも交えながらの和気あいあいとした雰囲気をつくっていただいたおかげで、緊張も和らぎました。(神道文化学部1年)
オリエンテーションでは古今の田植えについて学びました。田んぼ一枚耕すのに、60年前は丸一日、今は実質20分という農家の方のお話に驚きました。機械化する一方で、田んぼに神様が坐すというならわしが失われつつあることにも関心が向けられました。(神道文化学部4年)
【2日目 田植え】
晴天のもとで行われた田植えの当日、農家の方が苗を植えるスピードは、私の三倍でした。毎年米作りをおこなう農家の方々をみて、昔から続く伝統を守る姿に感動しました。(神道文化学部2年)
田植えは初めての経験で、大変貴重な経験となりました。土の感触が新鮮であり、また長時間腰を曲げているため、腰が痛くなりました。今では見ることが出来ない手植えの風景を見ることができ、大変勉強になりました。(神道文化学部4年)
【2日目 農家との方との振り返り会】
田植えの後、農家の方々と思ったことや感じたことを話し合いました。農家の方は、自然栽培の素晴らしさを語ってくださいましたし、私達との交流によって自分達も新たに学んだことがあるとも仰っていただきました。農家の方々とのお話しを通じて、農業の奥深さや交流の大切さを学ぶことができました。(神道文化学部2年)
振り返り会では、学生たちから「泥の感触が新鮮だった」「前回よりも上手く植えられた」「前よりも気づくことが多かった」などの声がありました。また、農家にとっても高齢化は深刻な問題ということも分かりました。田植えだけではなく、草取りや稲刈りにも参加して、米作りについてもっと知りたいと思いました。(神道文化学部3年)
【総括】
田植えでは、苗を植える際、苗代(なえしろ)から苗を2~3本ずつ解いて植えていきますが、苗がしっかりと根を張っている、解くのは大変です。一日目のオリエンテーションでは、農家の方から「苗は生きている」というお話がありましたが、本当に苗は生きているのだな、と強く実感しました。この苗が成長して稔るお米を、一粒一粒、感謝しながら食べたいと思いました。(神道文化学部2年)
今回のワークショップでは、さまざまな発見がありました。田植えのときは、苗を植えたときに水中の生物をよく観察できました。「機械植えが多い現在の田んぼでは、ヒルはどのようにして栄養をとるのだろう」といった新たな疑問も生まれました。また、農家の方とのお話からは、私の生活とだいぶ違うと感じました。たとえば、田植えや草取りの時期には、毎朝五時くらいに田んぼに行く方が多いそうで、農道が渋滞するそうです。田植えの後は、草取り・稲刈りがおこなわれますが、それらにも参加して、さらに新たな気づきを得たいと思います。(神道文化学部2年)
米作りはやっと田植えが終えたばかりです。これから多くの手間がかけられて実りの秋を迎えます。今回参加した学生は、この後も、草取りや稲刈りに参加を希望しています。今回参加できなかった学生も、草取りや稲刈りなどに参加して、米作りを体験してみてください。
写真/増山正芳
文協力/荒井日菜子・升山顕耀・今橋晶子・渡邉純弥・高山大樹・中村京・阿部汀・吉田絢香(掲載順)