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神道文化学部15周年 第11回成人加冠式 開催報告

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2018年2月14日更新

神道文化学部は今年度15周年を迎えました。

この15年で、多くの学生が神道文化学部に入学し、卒業していきました。

彼らが良い思い出とともに学生生活を終え、社会人として活躍していることを切に望みます。

社会人として認められるために必要なのは、「大人」であるということです。

「大人」というのは漠然とした表現ですが、実際の年齢だけでなく、精神的にも経済的にも自立した存在であることが条件でしょう。

4年間の大学生活において、多くの学生が大人となり、社会に羽ばたいてくれたのであれば、これに勝る喜びはありません。

神道文化学部では、学生生活を充実させるため、さまざまな行事をおこなっていますが、その一つに「成人加冠式(せいじんかかんしき)」があります。

加冠式のいわれは、古く奈良・平安朝にさかのぼり、貴顕社会における成人通過儀礼にあたります。男女とも髪を結いあげ、男子は冠物を常用し、女子は晴れの日に髪揚げ具を装着するようになります。加冠式は貴顕社会における大人への通過儀礼だったといえましょう。

このような由来をもつ國學院大學の成人加冠式は、大人とはどういうものであるのか、ということを、日本の伝統文化に体現させた行事であり、大人としての自覚を促すのに最適なものです。

今年も総勢46名、さまざまな学部から多くの学生が参加してくれました。

加冠式は、平成30年1月20日(土)14時からおこなわれ、約2時間かけて下記の儀式がおこなわれました。

 ・加冠の儀(かかんのぎ)

 ・神殿奉告の儀(しんでんほうこくのぎ)

 ・祝賀の儀(しゅくがのぎ)

 ・写真撮影

加冠の儀とは、新成人に冠物・髪揚げ具を着けていく儀式です。

祭式教室において、男子女子ともに先生方が冠物・髪揚げ具を新成人ひとりひとりに着けていきます。

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冠物を身に着けた学生のコメントを紹介したいと思います。

「当初、成人加冠式に参加するか迷いがありました。しかし、せっかく國學院大學に入学でき、一生に一度の機会と思い、他の大学にはない成人加冠式への参加を決めました。儀式はとても厳かでした。地元でも神前で成人の報告をしましたが、國學院大學の成人加冠式は、学校と学生が一緒になってお祝いしているという感じがして、とても良いと感じました。参加してよかったです。」

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また、髪揚げ具を身に着けた女子学生のコメントもいくつかご紹介したいと思います。

「私が成人加冠式について知ったのは、入学後のオリエンテーションでした。國學院大學ならではの成人の儀に是非とも参加してみたい、と入学当初から願っておりました。近年の成人式は、本来の通過儀礼という意識が薄れ、一種のイベントもしくは同窓会のように捉えられていると思います。実際、私も地元で久々に再会した友人たちと和やかで楽しい成人式を終えたばかりでしたが、成人になった実感はありませんでした。しかし、成人加冠式の当日、衣裳を身にまとい、厳粛な雰囲気の中、額当(ぬかあて)をつけていただいたとき、「ああ、私は本当に成人したのだな」と心から実感できました。「これからは社会の一員として、より一層励んでいかなければ…」と身が引き締まる思いでした。新成人を本学ならではの行事でお祝いしたいとの思いから始まった成人加冠式。このような貴重な成人の儀を、日々共に励む仲間たちと迎えられたことは、とても嬉しいことでした。また、この日のためにご尽力下さった先生方や関係者の皆様方にこの場を借りて心より御礼申し上げます。そして、二十年間育ててくれた家族や私を支えてくれた方々に、感謝を伝えたいと思います。」

「成人加冠式という“國學院大學らしい”行事に参加できたことは大変嬉しく思います。また、この儀式を行うにあたり、多くの人が携わって下さったことに感謝しかありません。一年生も三年生も舞人、祭員、楽人として、また他のあらゆるところで私たち新成人のために時間と労力を割いてくれました。心から感謝したいと思います。一月は始まりの月であり旧暦で睦月と呼ばれています。「睦」には「仲良くする、親しみあう」という意味があります。今回の儀式では、普段話すことのなかった人と言葉を交わしあい、縁をつなげることができました。一方で、普段仲良くしてくれている友達とは経験を共にすることで、より強い縁をつなげたのではないかと思います。沢山の人の協力によって催行された成人加冠式に参加して、見えたこと、感じたことを大切にして、今後の大学生活を送っていきたいと思います。」

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加冠の儀が終わると、神殿まで参進し、そこで奉告の儀をおこないます。

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代表が誓詞を奏上し、新成人としての心構えを読み上げるのです。

今年神殿で誓詞を読み上げた中村さんのコメントを紹介したいと思います。

「私は、今回の成人加冠式において、代表として神殿で誓詞を奏上いたしました。誓詞奏上は緊張しましたが、御神前で奏上できたことは一生の思い出です。成人加冠式に参加して気付いたことは、さまざまな人の手で作り上げられた儀式なのだということです。学生や教職員の方々に着付けをしていただき、茂木先生の典儀によって進んだ加冠の儀では、学生の加冠補助(=介添え)のもと、先生方に加冠していただきました。神殿では学生が祭員を務め、祝賀の儀でも学生が雅楽や舞でお祝いしてくれました。さまざまな人々によってお祝いをしていただいたことに、とても感動いたしました。心から感謝申し上げます。私事ですが、20年間育ててくれた両親にも、感謝を伝えたいと思います。」

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祝賀の儀は再び祭式教室でおこなわれ、上級生・下級生が雅楽や舞楽で新成人を寿ぎます。

下級生として舞を披露してくれた旭さんのコメントを紹介したいと思います。

「成人加冠式の祝賀の儀で「豊栄の舞(とよさかのまい)」を舞わせていただきました。前日のリハーサルで、はじめて演奏にあわせて舞いましたが、とても緊張してしまい、ミスを沢山してしまいました。そのとき、他の演者や新成人の方に励ましていただきました。当日は大きなミスもなく舞を終えることができました。舞っているときに見た新成人の方々は、とても頼もしく輝いて見え、感動しました。本当におめでとうございます。先輩方の晴れ舞台で舞えたことを嬉しく思います。」

最後は全員で集合写真を撮り、終了となりました。

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成人加冠式では、上級生や下級生が午前中から準備をし、お手伝いをしてくれています。

こうした学生の継承も15周年を迎えた神道文化学部の財産だと思っています。

最後に、新成人のコメントを紹介したいと思います。

「今年で第十一回目となる成人加冠式に新成人として参列させていただきましたが、思っていた以上に沢山の方々のご協力で成り立っているのだなというのが正直な印象でした。準備の段階から、沢山の先輩方や後輩たち、先生方が私たち新成人のために着付けや会場の準備にあたってくれていました。素晴らしい儀式にしていただいたことを、心から感謝したいと思います。また、加冠之儀で、先生に額当をつけていただいたとき、もっと新成人としての自覚を持たなくてはいけないと感じました。私は二十歳になるまでに沢山の方々に支えられ、助けてもらいながらここまで成長することができたのだなと感慨深くなりました。これからは、今まで支えていただいた方々に恩返しができるように、さらに沢山の方々を支えられるよう、精進してまいりたいと思います。そして、残りの大学生活を大人としての自覚を持ち、有意義なものにしていく所存です。」

新成人のみなさん、おめでとうございました。残りの学生生活も充実したものであることを心から祈っています。

 

協力:写真/増山正義、文/沖西岳斗・菊地薫・関野愛依・中村京・旭恵里佳・相澤紗穂(掲載順)

 

このページに対するお問い合せ先: 神道文化学部

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