令和7(2025)年11月12日、國學院大學渋谷キャンパスにて、エクステンションセンター主催の特別講座「渋谷学」の第4回目が開催されました。最終回となる今回は、橋元秀一・本学名誉教授が「現代渋谷の経済」と題し、かつて若者文化の発信地として栄えた渋谷が、現在の再開発を通じてどのように変貌し、未来に向けてどのような課題を抱えているのかについて詳細な解説がなされました。

まず、1970年代から80年代にかけて若者の街として活況を呈した渋谷が、90年代以降、全国チェーン店の進出や、単なる情報発信の「舞台」へと性格を変えた結果、独自の個性が希薄化しているという現状が解説されました。
次に、渋谷の人口動態や事業所数の統計データを参照しつつ、リーマンショックなどの経済変動が街に与えた具体的な影響が説明されました。今後の課題として、渋谷が商業地としての独自性を維持できるのか、あるいは他の大都市と似た街になるのかという、未来の方向性についても深く言及されました。
そして講演の結びでは、街のビジネス化と居住地のバランスの重要性、および新しい文化や創造の源となる創造の場(インキュベーター)の形成が特に強調されました。渋谷が都市としてさらに進化していく上では、これらの課題への取り組みが鍵となると提言され、議論を締めくくりました。
