令和6(2024)年9月3日、たまプラーザキャンパスにて第30回萬葉の花の会が開催されました。
萬葉の花の会は、植物を通して万葉集に親しみ、万葉集を通して日本の自然や文化を理解することを目的に、年に一度、公開講座を開催しています。
開催にあたり、佐栁正三理事長が「萬葉の花の会開催第30回を迎えて」と題して開会のあいさつを行いました。
午前の部では2つの講演が行われ、大石泰夫・文学部教授が「ヤマトの中の吉野−水と龍と神仙思想と−」と題して、奈良県吉野郡周辺について詠まれている歌をもとに大和朝廷時代の吉野の地に関する解説を行いました。続いて、渡邉卓・研究開発推進機構准教授が「天平2年−梅花の宴のあった年」と題して、万葉集巻五に収められている「梅花の宴」にまつわる歌について解説しました。
お昼の時間には、キャンパス内で「万葉集」の歌に詠まれた約150種の草花を植栽している「萬葉の小径」の散策が行われ、参加者の方々は植物を一つ一つ興味深く観察していました。
午後の部には、上野誠・文学部教授(特別専任)が「万葉秋づくし」と題し、講演を行いました。秋を表すとされる七夕や萩の歌を中心に取り上げ、歌から読み取れる情景などを解説しました。
参加者たちは熱心にメモを取りながら各教授の話に耳を傾けていました。また、各教授のユーモアを交えた講演内容に会場は時折笑いに包まれていました。