一陽来復、清々しい新春を迎えました。
平成に入って三度目の酉年。
伊勢の神宮、式年遷宮でのご奉仕の経験が、頻りに思い出されます。

三瀬谷を経て瀧原宮へ
平成五年、第六十一回の式年遷宮。
当時三十代だった私は、神社本庁職員として、内宮御奉仕の末席に連なりました。

瀧原宮の清流
鶏鳴三声、出御の御列を、新宮の板垣南御門脇で間近に拝させていただきました。
大神の絹垣の縹渺たる神々しさ…。今も脳裏に鮮やかです。
平成二十五年、第六十二回式年遷宮に際しては、本学教員として、外宮新宮の庭燎をご奉仕させていただきました。

五十鈴川
静寂の中、彼方から聞こえてきた鶏鳴三声の響き。
やがてお出ましになられた大神の御列。

伊雑宮の神田
おかげさまにて、新宮入御の祭典を、目の当たりに拝させていただくことが叶いました。
あの時の有難さ、勿体なさ、魂の震えるような感動は、到底言葉に尽くすことができません。
そもそも式年遷宮は 大神の神聖なお引越にして、御神威更新の重儀です。
御遷宮に伴って、神道文化の精粋が、世代から世代へ、脈々と受け継がれてきました。

平成29年 初日の出
御遷宮で拝した光り輝く新宮の佇まい。
その姿を心に刻みつつ、残された歳月、神道文化の伝承に微力を尽くして参りたいものと願っています。
若く瑞々しい学生諸君こそ、日本の未来を担う宝です。
願わくは、鶏鳴高らかに響き、新時代の石戸開きが齎されんことを…

神道文化学部4年 二宮さんの作品