NEWS

第9回観月祭(平成30年10月20日)・第12回成人加冠式(平成31年1月12日) 参加者手記

  • 神道文化学部
  • 在学生
  • 受験生
  • 卒業生
  • 企業・一般
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年2月23日更新

今年度も平成30年10月20日(土)に観月祭、平成31年1月12日(土)に成人加冠式が無事に行われました。どちらも神道文化学部が中心になって行うものです。観月祭は第9回、成人加冠式は第12回を数える恒例行事です。

 今年度の観月祭の曲目は、次の通りでした。

30_kangetsu_kakan_c_01

  • 管弦
    •  平調音取(ひょうじょうねとり)
    •  林歌(りんが)
    •  陪臚(ばいろ)
  • 神楽舞
    •  浦安の舞(うらやすのまい)
    •  豊栄舞(とよさかまい)
  • 舞楽
    •  振鉾(えんぶ)
    •  五常楽急(ごしょうらくきゅう)
    •  登天楽(とうてんらく)

 

当日は途中から雨に降られましたが、最後までやり遂げることができました。観月祭には多くの学生が参加していますが、神道文化学部以外の学生が何人も熱演してくれています。そこで、4年間観月祭に参加した文学部の学生の感想を紹介したいと思います。

 

私は、4年間、観月祭(第6~9回)に携わってきました。1年生と4年生では楽人、2年生と3年生では舞人をつとめました。特に印象に残っているのは、3年次に「抜頭(ばとう)」を舞ったことです。私は元来身体が弱いため度々体調を崩してしまいましたし、体格が小柄であることから装束の着装に手間をおかけするなど、いろいろとご迷惑をおかけしながら登壇いたしました。しかしながら、最後には皆様に「鈴木さんには見えなかった」と言っていただけました。抜頭の舞には力強さが大切なのですが、そのイメージを崩さずに舞えたことは、大変な自信になりました。例年、観月祭の準備には約半年かかります。多くの人が関わるために、問題や行き違いも生じます。ですが、年ごとに進行が円滑になっていったと思います。これは、学生たちが、前年の反省を活かし、より良いものにしていくことに楽しさを感じていたからだと思います。観月祭では、運営や広報など必要な仕事が多く、多くの人が協力しあわなければ成し得ません。次回の観月祭は第10回という節目を迎えます。多くの学生に様々な形で参加して欲しいと思いますし、第9回までの経験を活かして、より良いものにして欲しいと願っています。

(文学部史学科4年 鈴木華蓮)

30_kangetsu_kakan_c_02

また、観月祭や成人加冠式という行事は、演者や新成人が主役ではあるのですが、裏方を担う学生がいて成り立つ行事でもあります。そこで、4年間、裏方として支えてくれた学生たちの感想を紹介して、両行事にいかに多くの学生が参加しているのか、ご理解いただければと思います。

 

4年間、観月祭ならびに加冠式が無事催行されたことにほっとしています。沢山の苦労がありましたが、皆で協力し、平成最後の両行事が素晴らしい形で成功したことに満足感を抱いています。改めて関わった全ての方々に感謝申し上げます。萠黃會は、観月祭では舞楽での装束、加冠式では新成人の装束を着つけました。「素早く・綺麗に・動いても崩れない」ことを目標にお稽古に励み、当日はその成果を十分に発揮することができました。美しい装束で華を添えた両行事が、多くの方々の記憶に鮮明に残って欲しいと思います。私は卒業となりますが、これまでの想いを後輩たちに託し、来年度以降も素晴らしいものにしていって欲しいと心から願っています。

(神道文化学部4年 三宅万智)

30_kangetsu_kakan_c_03

今年度は、観月祭と加冠式で、それぞれ祭典と衣紋を奉仕いたしました。祭典では、統括として主に祭場舗設や祭員の動きなどについて、確認や指示を行いました。衣紋方としては、舞人や新成人に装束を着付けました。舞人・新成人の装束が崩れることのないように、日々研鑽し、その成果を発揮することができました。観月祭と加冠式では、多くの学生が学部やサークルの垣根をこえて役割を果たす姿が見られます。そして、皆で協力することで「感謝」することの大切さを感じることができます。これからも素晴らしい行事が、皆の力によって引き継がれていくことを願います。

(神道文化学部4年 武田雅人)

30_kangetsu_kakan_c_04

4年間の観月祭と加冠式を終えて、私は改めて「両行事は多くの人々が力を合わせることによって成り立っている」ということを認識しました。私の所属している若木睦は、両行事とも裏方として目立たない仕事をしています。しかし裏方がいなければ、これらの行事を行うことは出来ません。それぞれの役職の人が力を合わせることが大切なのだと思います。観月祭と加冠式は、神道文化学部の総力を結集した行事です。両行事に微力ながら携われたことを大変嬉しく思います。次年度は、御大礼が行われる大変おめでたい年です。観月祭・加冠式もこれに見合うように行われることを期待します。

(神道文化学部4年 渡辺純弥)

30_kangetsu_kakan_c_05

私は、観月祭と加冠式の両行事に、記録係として携わってきました。4年間を通じて感じたことは、成長していく学生はまるで花のようだ、ということです。1年生の頃は地中で根を張るように力を蓄え、2年生で陽の当たる舞台へ顔を出し、3年生で己の力を大輪のように咲かせ、4年生には再び裏方として後輩を支えて、次世代への種子を残していく。花の成長と重なるような学生たちの4年間は、人生という長い時間において、社会で必要とされる底力を養っていく過程にも思えました。成長にはばらつきもありますが、どこで花を咲かせてもその美しさは唯一無二でありました。観月祭と加冠式に関われたことに感謝しつつ、今後の学生たちも両行事を誇りと思えるように継承されていくことを願っています。

(神道文化学部4年 山田展大)

30_kangetsu_kakan_c_06

以上のように、頑張って裏方をつとめてくれる学生がいるからこそ成り立つ行事だということがよく分かります。

また、加冠式は、古くは奈良・平安時代の貴顕社会において、最も重要な通過儀礼の一つでした。男子においては元服(げんぷく)・首服(しゅふく)・初冠(しょかん)とも称され、女子においては裳着(もぎ)・髪上(かみあげ)・初笄(ういこうがい)などと称されました。元服の「元」とは首(はじめ)の意味です。男女とも髪を結いあげ、男子は髻(もとどり)を結いあげ、冠物(かぶりもの)を常用するようになります。女子は前髪をあげ、晴れのときには櫛・釵子(さいし)・簪(かんざし)などの髪揚げ具を着けました。「服」は、童形服から、大人の服へと改めることを意味します。十二、三歳ころから十五、六歳にかけて催された儀式でした。元服の儀式を経ることで「大人」として認められました。

そして、この加冠式を神道文化学部の行事として立ち上げたのが、当時、神道文化学部の学部長をつとめていた岡田莊司教授です。岡田教授は、神道文化学部の特徴を発信したいという想いから、成人加冠式という、他では実現が難しいであろう行事を構想したのです。岡田教授は今年度の退職にあたり、加冠役をつとめました。

最後に岡田教授の学生へのメッセージをご紹介したいと思います。

御成人おめでとうございます。成人加冠式第一回目の加冠役を勤めましたが、それ以来、十二年ぶりになります。最初の頃は、儀式の所作にも慣れず、装束も揃わず、参加人数も少なかったのですが、いまは成人の参加学生も多く、父母と祖父母様までお集まりいただき、盛大に儀式が執り行われていることに感慨深いものがあります。

加冠役は、昔は烏帽子親といい、元服を迎える烏帽子子と両親以上の強い絆がありました。この擬制的親子関係を築いていくことは、社会へ出ていくための門出であります。広く社会に交わり、新しい人間関係を作り出すことが大事です。どうぞ目標を高く掲げ、自身を大きく強くしていってください。次の世代を担っていく諸君の道はいくらでも開かれていくでしょう。

30_kangetsu_kakan_c_07

写真:神道文化学部学生・教員有志

このページに対するお問い合せ先: 神道文化学部

MENU