令和5年度 渋谷区民大学講座
「21世紀の東京論」
主催:國學院大學 後援:渋谷区
この度、國學院大學エクステンションセンターでは、「21世紀の東京論」と題し、渋谷区民大学講座を開催いたします。
今年度の渋谷区民大学講座は4年ぶりに対面で実施いたします。
渋谷区民の方はもちろん、一般の方もご参加いただけますので、たくさんの方々のご参加をお待ちしております。
第1部「東京裏返しー尾根を上る渋谷から川筋を這う渋谷へー」
講師:吉見 俊哉 (國學院大學観光まちづくり学部教授)
講師プロフィール
國學院大学観光まちづくり学部教授、東京大学出版会理事長。
上演論的アプローチから都市論、メディア論を展開、日本のカルチュラル・スタディーズで中心的な役割を果たしてきた。長く東京大学で教え、大学院情報学環長、大学総合研究センター長、教育企画室長、副学長などを歴任。現在、デジタルアーカイブ学会長、東京文化資源会議会長。
【講座概要】
近年、渋谷は嫌な街になった。地下は迷路のようで、地下深いホームから地上までに時間がかかる。駅周辺の超高層も威圧的だ。スクランブル交差点の鳥瞰映像は日々目にするが、写真映えする街と歩いて魅力的な街は別だ。
半世紀前、70年代の渋谷で若者たちは丘を上った。パルコに至る公園通りは上り坂で、その坂周辺に小劇場やカフェ、プティックが増殖していた。ところが近年、若者たちが渋谷川筋を好んで歩き始めている。その嚆矢は、キャットストリートで、暗渠となった渋谷川沿いにブティックが並び、若者たちが集うようになった。その後、旧宇田川沿いが「奥渋谷」と呼ばれ始め、洒落た飲食店が並んでいく。最近は、旧東横線渋谷駅と廃線の上に誕生した渋谷ストリームから渋谷川に沿った緑道が整備された。
この講義では、こうした渋谷の変化を解説しつつ、渋谷という街が背負う歴史性と課題、未来への展望を示していきたい。
第2部「東京ヴァナキュラー」
講師:ジョルダン・サンド(ジョージタウン大学教授・國學院大學研究開発推進機構特別招聘教授)
講師プロフィール
ジョージタウン大学教授(日本歴史学専攻)、國學院大学特別招聘教授(2023〜2024年)。近現代の日本社会史について幅広く執筆。単著に『帝国日本の生活空間』(天内大樹訳、2015年)、『東京ヴァナキュラー:モニュメントなき都市の歴史と記憶』(池田真歩訳、2021年)、House and Home in Modern Japan (2003)、などがあります。2023年12月に『破壊と再生の伊勢神宮』出版予定。
【講座概要】
巨大都市東京は二〇世紀に二度も焦土と化し、戦後数回の開発の波で姿を変えている。絶えず変化してきた東京の街に歴史的街並みなど過去の記憶を伝えるものは一見して他の多くの都市より少ないように見える。しかし、よく見ると実はさまざまな歴史の痕跡がある。そして、この歴史的痕跡の重要性はますます意識されてきた。東京の歴史記憶がどう育まれてきたか。行政や専門家だけのものではなく、東京の住民の日常生活の中で生まれたものであり、そこに国家や政党の政治とは別の「日常の政治」がある。
今回の講義では、一九七〇年代以降のまちづくり運動、地域博物館などで歴史記憶をめぐる日常の政治が展開してきた過程を探りながら、都市にとって記憶の価値は何かという根本的な問いを考える。
講座概要
日時 |
令和5年10月28日(土) 開演: 12時20分 第1部 12時50分~14時20分 第2部 14時30分~16時00分 |
会場 |
國學院大學渋谷キャンパス 学術メディアセンター棟 1階 常磐松ホール |
定員 | 200名(※先着順/定員になり次第、受付終了) |
受講料 | 無料 |
申込方法 |
上記の申込フォームからお申し込みください。 |
申込期間 |
令和5年9月28日(木)午前9時より ※定員になり次第、受付終了 |
お問い合わせ |
國學院大學エクステンションセンター TEL:03-5466-0270 E-mail: jigyou★kokugakuin.ac.jp (★を@に変えて下さい) |
ジョルダン・サンド
論文
“People, Animals, and Island Encounters: A Pig’s History of the Pacific"(2021/11/)
吉見 俊哉
論文
#「長い崩壊の時代 : 21世紀の歴史を書く(第9回)3 「中世の秋」のなかで : 崩壊と生成(3)もし、新大陸が発見されなかったら」(2023/01/)
#「長い崩壊の時代 : 21世紀の歴史を書く(第8回)3 「中世の秋」のなかで : 崩壊と生成(2)「中世の春」と「ヨーロッパ」の誕生」(2022/12/)