史学科について

2023年4月1日更新

概要と特色

卒業論文発表会

國學院大學の史学科には「日本史学コース」「外国史学コース」「考古学コース」「地域文化と景観コース」の4つのコースがあります。高校までの歴史は暗記が中心でしたが、大学で学ぶ歴史学は「自ら創り出す歴史」です。史学科では教科書的な通説を疑い、自分で史資料や学術論文にあたり、合理的な解釈・検証を行って、自分の力で過去の歴史を読み解き再構築する能力を身につけるため、多彩で特色あるカリキュラムを用意しています。コースは2 年次の前期履修登録時に選択します。

日本史学コース

地方での古文書調査(日本史コース)

 日本史を大きく古代・中世・近世・近現代の4つに区分し、史学科の伝統である「実証史学」、すなわち厳密な史料批判(古文書・古記録など諸史料の内容の正否を詳細に検討すること)を基礎に、各時代・分野の史実とその意義を研究します。本学の日本史コースの特色として、有職故実や世界史的視野で日本史を考える授業なども多く開講されています。

外国史学コース

 朝鮮半島・中国から東南アジア・インド・西アジア・北アフリカ(イスラム時代以後)までの各地域(いわゆる東洋)と、ヨーロッパからアメリカまでの各地域(いわゆる西洋)の歴史を研究対象とします。語学の修得を基礎としてその政治・社会構造や文化の歴史的特質などを明らかにするための知識や方法論を身につけます。

考古学コース

遺構実測中(考古学調査法)

 考古資料の見方や遺跡の発掘調査法、研究方法などの実践的な知識・技術を学び、遺跡や出土遺物などの物質資料から過去の人類文化とその歴史を読み解くための視座と方法を身につけます。2年次には約10日間の発掘の実習があり、毎年報告書を刊行しています。また所定の単位を修得することで、考古調査士資格認定機構による「考古調査士2級」の資格を取得できます。

地域文化と景観コース

中世荘園遺跡の調査(地域・景観調査法)

 古地図・絵図に描かれた伝統的景観を復原する手法を基礎に、フィールドワークや様々な文化財・歴史遺産の調査・分析を通じて、環境と生業活動との関わりや地域に生きた人々の社会生活など風土と歴史の中で培われてきた地域固有の文化を多面的に究明し、地域文化を将来に継承していくための知識と方法論を身につけます。

二つのプログラム

 2年次の前期履修登録時に「プログラム」を選択します。プログラムには「S-プログラム(Standard Career Program)」と「P-プログラム(Professional Career Program)」の二つがあります。「プログラム」はキャリアプランに合わせて学生自身が選択するカリキュラム群です。S-プログラムは史学科の専門科目のほか、語学や社会科学系科目の比率を多くして、公務員や一般企業への就職を目指す学生に合わせたカリキュラム群です。P-プログラムは大学院への進学や教職・学芸員などの専門職を目指す学生のニーズを満たすよう、幅広く歴史の専門知識をしっかり修得できるように組まれたカリキュラム群です。

卒業論文について

卒論ゼミのひとこま(史学応用演習)

 4年間の学びの総仕上げが卒業論文です。自分で設定した問題に対し、集めた史資料を緻密に読解・分析して答えを発見し、理路整然とした文章で表現する必要があります。卒業研究に取り組む中で、「これが分かったぞ」というひらめきや発見があり、他の研究者との見解の相違をきちんと説明するといった論理的な思考力などが鍛えられます。優秀な卒業論文には国史学会で発表する機会が設けられています。研究テーマにそって論旨を吟味・構築し、実証するという知的作業は、どんな職業に就くにせよ社会で活躍するうえでも、貴重な経験となるでしょう。

史学科の学士課程教育3ポリシー

  • 卒業認定・学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

    文学部史学科は、以下の能力を備えた人材を育成します。

     

    A 知識・技能

    (DP-A1)歴史を科学的に考えるための知識を有する。

    (DP-A2)史・資料を読み解くための技術や語学力を有する。

    (DP-A3)歴史的遺物から歴史学的考察に必要となる情報を取得することができる。

    B 思考力・判断力・表現力

    (DP-B1)史・資料から得られた情報をもとに、歴史的事象を考察することができる。

    (DP-B2)独自性のある意見を、客観的根拠にもとづき、導き出すことができる。

    (DP-B3)学修の成果を個性豊かな文章で発表することができる。

    C 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度

    (DP-C1)歴史的諸問題に対し主体的に取り組み、創造性を発揮することができる。

    (DP-C2)他者に配慮しながら、共同して目標を達成することができる。

    (DP-C3)他者の意見をとりいれながら、みずからの意見を組み立てることができる。

     

    以上の教育目標を達成するために設けられた授業科目を履修して所定の単位を修得し、かつ共通教育プログラムにおいて所定の単位を修得した者に、学位を授与します。

    • 学修成果参照基準

       共通教育プログラムでは、ディプロマ・ポリシーに相当する「プログラム学修成果参照基準(RS:Reference Standard)」を以下のように定め、卒業要件36(人間開発学部26)単位で修得されるべき学修成果目標を明示する。

      A 知識・技能

      (RS-A1)建学の精神と神道精神を理解し、日本文化を説明できる。

      (RS-A2)日本語を正確に読み、表現することができる。

      (RS-A3)1つ以上の外国語を用いてコミュニケーションすることができる。

      (RS-A4)コンピュータを活用して学修することができる。

      B 思考力・判断力・表現力

      (RS-B1)数値に基づいて思考し、論証することができる。

      (RS-B2)客観的事実に基づいて論理的に思考し、説明することができる。

      (RS-B3)俯瞰的視点から思考し、自己の学びを相対化することができる。

      (RS-B4)社会のルールを理解することができる。

      C 主体性を保持しつつ多様な人々と協働して学ぶ態度

      (RS-C1)他者の価値観を尊重し、異文化を受容できる。

      (RS-C2)協働して最適な解を導き出そうとした体験を持つ。

      (RS-C3)主体性をもった市民としての協働意識、参加意識を身につける。

      (RS-C4)身体的または精神的な負荷を意欲に転化することができる。

  • 教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
  • 入学者受入れ方針(アドミッション・ポリシー)

    文学部は、日本や外国の言語・文化・思想・歴史に対して強い興味を持ち、5つの学科(日本文学科・中国文学科・外国語文化学科・史学科・哲学科)が扱うそれぞれの学問領域に関して、主体的な姿勢で学修に取り組むことのできる学生を受け入れます。

    ◎求める人材、期待される入学者像

    ・日本や世界の歴史に関心を持ち、さらに専門的な知識を学んで理解を深めたい者。
    ・歴史資料の調査や研究方法を学び、歴史研究の発信や文化財の保護・活用にかかわりたいという意欲がある者。
    ・歴史上の諸問題に関心を持ち、さまざまな価値観を持つ人々と協力しながら、新しい社会を創造していこうとする意志を持つ者。

    ◎入学者選考の観点

    (AP1)地理歴史、国語、英語を中心に、史学科で学ぶ内容に対応する科目について、高等学校卒業程度の知識・技能を修得しているか。
    (AP2)物事を論理的・客観的に考える力があり、それらを自分の言葉で発信する能力があるか。
    (AP3)日本史学・外国史学・考古学・地域文化と景観(歴史地理)分野の学修・研究に強い関心を持ち、かつ主体的に学ぶ姿勢を備えているか。
    ※具体的な入試制度と観点との関連は別表の通りです。

    ◎入学までに身につけるべき教科・科目

     入学までに「日本史B」「世界史B」「地理B」から一つ以上を学んでおくことが望まれます。さらに、「国語総合(古文・漢文を含む)」「古典B」「コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」「英語表現Ⅰ、Ⅱ」およびそれに相当する教科について、基礎学力を身につけておくことが望まれます。

      史学科入学者受け入れ方針・付表(PDF形式)

史学科の刊行物

  • 考古学研究室 問い合わせ先 考古学研究室

     「國學院大學考古学研究報告」 (不定期)
     「國學院大學考古学実習報告」 (1冊/年)
     「上代文化」 (1冊/年) 國學院大學考古學會との共編

    国史学会 問い合わせ先 文学部資料室
     「国史学」(3冊/年)

このページに対するお問い合せ先: 文学部資料室

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