2024年6月12日更新
急テンポで進展するグローバリゼーションの中で、私たちには表層的な知識や、表面的な交流のレベルを越えた真の国際交流が求められています。グローバルな視野で日本文化と異文化との差異共通性を本質的・総合的にいかに深く理解しているかが、今私たちに問われているとも言えるでしょう。こうした国際化の流れに対応し、21世紀にふさわしい異文化コミュニケーションを主体的に実践できる人材を育成しようとするのが外国語文化学科 (通称:外文)です。
國學院大學文学部は、建学以来、日本文化の考究を中心にすえて、日本文化理解の教育と研究の伝統を築き上げてきました。 この豊かな伝統のなかに、異文化の総合的把握を目指す外国語文化学科(通称:外文)を加えることによって、建学の精神の普遍化と学統の新たな展開をもたらし、来るべき時代と社会の要請に応えることができるのです。
近年急速に進展しつつある国際化・高度情報化の流れのなかでは、地球上に住むすべての人々の相互依存の必要性はますます高まり、人間の精神活動に深く関わる文化もまた孤立した存在であり得ません。このような状況のもとでは、地域別・言語別・民族別といった従来の学問的アプローチでは十分でなく、学際的・総合的に人間活動の所産たる文化を研究する必要があります。
外国語文化学科には、言語と文化を融合した多彩なカリキュラムが用意されており、他学科・他学部の教員にも協力をいただいて、自由な雰囲気のなかで、幅広い範囲の学問をきめ細かく学ぶことができます。少人数教育を基盤として、従来の学問体系と同時に学際的な領域に踏み込めるように、教員と学生の意志疎通を図ることのできる教育体制を整えています。もちろん教員は教育に努力を惜しみませんが、学ぶのはあくまで学生諸君であり、新たな学科の伝統を築き上げるのも、学生諸君自身なのです。
外国語文化学科は、基本的に高い外国語能力に裏打ちされた異文化の総合的理解、並びに、外国文化と日本文化の比較対照を行うことを理念としています。この理念に基づく教育・研究を実践することによって、國學院の伝統を継承しつつ、国際社会に対して日本文化の「創造的発信」を行うことが可能になると考えます。ここでいう「創造的発信」とは、偏った外国文化の受容や一方向的な日本文化の発信ではなく、双方向的な視点から相互理解を促進・深化させる受容と発信を意味します。
外国語文化学科では、言語の習得なき文化理解、あるいは文化の理解をともなわない言語の学習はあり得ないとの立場から、言語と文化を一体のものとして捉え、総合的に教育・研究します。このような教育・研究を行うことによって、外国文化と日本文化の双方に通じ、問題の所在を多層的に捉えて論理的に分析解決する能力を備え、国際社会のなかで主体的に異文化コミュニケーションを実践できる人材が育成されるものと信じています。
文学部外国語文化学科は、以下の能力を備えた人材を育成します。
A 知識・技能
(DP-A1)日本語および外国語で伝えられる事柄を、正確に理解することができる。
(DP-A2)多様な文化的差異を、その歴史や背景とともに理解することができる。
(DP-A3)日本語および外国語で自分の思いや考えを伝えることができる。
B 思考力・判断力・表現力
(DP-B1)日本語および外国語で伝えられる事柄を、共感的・論理的に理解することができる。
(DP-B2)異文化と言語の学びにより、日本文化の理解を新たにすることができる。
(DP-B3)日本語および外国語によって、効果的なコミュニケーションを行うことができる。
C 主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度
(DP-C1)文化的背景の異なる他者に対して配慮することができる。
(DP-C2)日本文化の理解を深め、それを世界に発信することができる。
(DP-C3)グローバル社会の諸問題に、主体的に関わることができる。
以上の教育目標を達成するために設けられた授業科目を履修して所定の単位を修得し、かつ共通教育プログラムにおいて所定の単位を修得した者に、学位を授与します。
共通教育プログラムでは、ディプロマ・ポリシーに相当する「プログラム学修成果参照基準(RS:Reference Standard)」を以下のように定め、卒業要件36(人間開発学部26)単位で修得されるべき学修成果目標を明示する。
A 知識・技能
(RS-A1)建学の精神と神道精神を理解し、日本文化を説明できる。
(RS-A2)日本語を正確に読み、表現することができる。
(RS-A3)1つ以上の外国語を用いてコミュニケーションすることができる。
(RS-A4)コンピュータを活用して学修することができる。
B 思考力・判断力・表現力
(RS-B1)数値に基づいて思考し、論証することができる。
(RS-B2)客観的事実に基づいて論理的に思考し、説明することができる。
(RS-B3)俯瞰的視点から思考し、自己の学びを相対化することができる。
(RS-B4)社会のルールを理解することができる。
C 主体性を保持しつつ多様な人々と協働して学ぶ態度
(RS-C1)他者の価値観を尊重し、異文化を受容できる。
(RS-C2)協働して最適な解を導き出そうとした体験を持つ。
(RS-C3)主体性をもった市民としての協働意識、参加意識を身につける。
(RS-C4)身体的または精神的な負荷を意欲に転化することができる。
外国語文化学科では、「言語の学修なき文化の理解や、文化の理解を伴わない言語の学修はあり得ない」との観点から、言語と文化を一体のものとして捉えている。この方針に基づき、外国語と文化を総合的に学修すると同時に、日本文化と外国文化の差異や共通性をグローバルな視点から理解し、異文化と積極的に交流しながら文化摩擦の解消を図るコミュニケーション能力を養うことができるようカリキュラムを編成している。具体的には、学位授与方針が示す教育目標を達成するため、以下のようなカリキュラム設計を有する。
1 専門基礎科目群:大学の学修への導入を行い、大学における学びの基礎知識や技能を修得する。英語および選択外国語(ドイツ語、フランス語、中国語)の基礎をしっかり固め、外国語や文化に関する広い視野と教養を身につける。
2 専門応用科目群:外国語基礎演習における学修を基に、英語および選択必修外国語を発展的に学修し、更なる外国語の運用能力の向上を図る。それと同時に、英語や選択外国語の学修を通して、外国語や文化に関する専門的な内容にも触れ、知識を修得する。
3 発展科目群:学生が2年次に選択する「外国語コミュニケーション」コース(言語系)と「外国文化」コース(文化系)に関する専門的な科目を重点的に履修し、専門的な内容に関する知識や理解を深める。
4 演習・卒業論文科目群:専門基礎科目や専門応用科目、発展科目を通して学んだ知識や技能を比較・融合し、言語や文化について演習を行う。また、4年間の学修の集大成として、選択した教員の指導を受けながら、自ら設定したテーマに基づき卒業論文を執筆する。
共通教育プログラムは、「プログラム学修成果参照基準」に定められた12の能力を身につけるために、下記の図表に示された4つの科目群(國學院科目群、汎用的スキル科目群、専門教養科目群、総合科目群)から構成される教育課程を設けている。各科目群の教育目標に応じて重点箇所を◎及び○で示す(◎:特に重点を置いている、○:重点を置いている)。なお、☆は履修方法による専門教養科目群固有の学修成果目標を示す。
科目群 | 学修成果参照基準(RS) | 各科目群の教育目標 | ||||||||||||
知識・技能 | 思考力・判断力 ・表現力 | 主体性を保持しつつ 多様な人々と 協働して学ぶ態度 | ||||||||||||
A1 | A2 | A3 | A4 | B1 | B2 | B3 | B4 | C1 | C2 | C3 | C4 | |||
國學院科目群 | 神道と文化 | ◎ | 國學院大學の建学の精神、学問的伝統に触れ、神道精神の本質と國學院大學が培ってきた日本研究の成果と学問的伝統を学び、日本文化への理解を深める。これを通じて日本人としての主体性、大学に対する帰属意識を涵養する。 | |||||||||||
國學院の学び | ◎ | |||||||||||||
日本文化を知る | ◎ | |||||||||||||
Japan Studies | ○ | ○ | ◎ | |||||||||||
汎用的スキル科目群 | 日本語 | ◎ | 大学における学修にとって基礎となる技能、グローバル環境で生きるのに必要な汎用的言語能力、数学的論理構成力、情報処理能力を身につけ、活用する能力を獲得する。 | |||||||||||
英語 | ◎ | ○ | ||||||||||||
数的推論 | ◎ | |||||||||||||
情報処理 | ◎ | |||||||||||||
専門教養科目群 | 人文学A | ○ | ◎ | ☆ | ○ | 学部専門科目の基礎部分を、他学部学生が「専門教養」として体系的に履修することにより、複眼的思考方法を身につけ、自己と自己が学ぶ学問を相対化できる。 | ||||||||
人文学B | ○ | ◎ | ☆ | ○ | ||||||||||
法学・政治学A | ☆ | ○ | ○ | ◎ | ||||||||||
法学・政治学B | ○ | ◎ | ☆ | ○ | ||||||||||
経済学A | ○ | ◎ | ☆ | |||||||||||
経済学B | ◎ | ☆ | ○ | |||||||||||
自然科学 | ○ | ◎ | ☆ | |||||||||||
総合科目群 | 導入科目 | ○ | ○ | ◎ | 学士課程教育の導入学修、異文化への理解を促す外国語学修、スポーツ・身体活動の理論と実践、学生から社会人への展望を得るキャリア学修を通じて、学士課程教育と社会的教養の基礎となる知を身につける。 | |||||||||
外国語 | ○ | ◎ | ||||||||||||
スポーツ科学 | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
キャリア形成支援科目 | ○ | ○ | ◎ |
文学部は、日本や外国の言語・文化・思想・歴史に対して強い興味を持ち、5つの学科(日本文学科・中国文学科・外国語文化学科・史学科・哲学科)が扱うそれぞれの学問領域に関して、主体的な姿勢で学修に取り組むことのできる学生を受け入れます。
◎求める人材、期待される入学者像
・英語および選択必修外国語(ドイツ語、フランス語、中国語のうち一言語)を使えるようになりたいという意欲をもつ者。
・英語、ドイツ語、フランス語、中国語を話す地域を中心に、世界各地の文化や習慣を知り、知識の幅を広げたいという意欲がある者。
・日本と世界各地のさまざまな言語・文化を照らし合わせながら、グローバル社会における日本文化の発信にかかわろうとする意欲がある者。
◎入学者選考の観点
(AP1)外国語、国語を中心に、外国語文化学科で学ぶ内容に対応する科目について、高等学校卒業程度の知識・技能を修得しているか。〈知識・技能〉
(AP2)自分の知識・技能を適切に組み合わせて、論理的に考え、答えを導き出し、表現する能力をもっているか。〈思考力・判断力・表現力〉
(AP3)自発的に学び、多様な価値観をもつ人々と積極的に協力する姿勢があるか。〈主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度〉
※具体的な入試制度と観点との関連は別表の通りです。
◎入学までに身につけるべき教科・科目
入学までに「英語コミュニケーションI・ II・ III」「論理・表現I・ II・Ⅲ」「現代の国語」「言語文化(近代以降の文章)」を身につけ、さらに「世界史探究」「日本史探究」「地理探究」から一つ以上の教科を学んでおくことが望まれます。
以上に加えて、実用英語技能検定(英検)2級以上(CSE2.0:1980以上)、TOEIC (L&R) 500点以上を獲得できる英語能力を持つことが望まれます。
入試制度 | 選考方法 | AP1 | AP2 | AP3 | 本入学制度の狙い |
A日程・B日程 | 個別学力試験 | ◎ | ○ | 外国語・外国文化を深く学ぶための総合的な学力を持つ者を受け入れます。 | |
V方式 | 大学入学共通テスト | ◎ | ○ | ||
公募制自己推薦(AO型) | 調査書 | ◎ | 本学科に対する強い志向性を重視します。その上で、外国語・外国文化を学ぶのに必要な基礎学力を持つ生徒を受け入れます。 | ||
志望理由書 | ○ | ◎ | |||
活動レポート | ○ | ○ | ◎ | ||
資格・検定試験の成績 | ◎ | ||||
面接試験 | ◎ | ◎ | ○ | ||
系列三高校推薦 | 調査書 | ◎ | ○ | 系列三高校の生徒で本学科に対する強い志向性があり、外国語・外国文化を学ぶ上で必要な基礎学力を持つ者を受け入れます。 | |
志望理由書 | ◎ | ○ | |||
活動レポート | ○ | ◎ | |||
資格・検定試験の成績 | ◎ | ||||
推薦書 | ○ | ○ | ○ | ||
協定校推薦 | 調査書 | ○ | 本学科に対する強い志向性があり、外国語・外国文化を学ぶ上で必要な基礎学力を持つ者を受け入れます。本学と協定を結んだ高等学校(協定校)の生徒のみを対象とします。 | ||
志望理由書 | ◎ | ○ | |||
活動レポート | ○ | ◎ | |||
資格・検定試験の成績 | ◎ | ||||
推薦書 | ○ | ○ | ○ | ||
授業レポート | ○ | ||||
面接試験 | ○ | ||||
指定校制推薦 | 調査書 | ◎ | 指定校の生徒で本学科に対する強い志向性があり、外国語・外国文化を学ぶ上で必要な基礎学力を持つ者を受け入れます。 | ||
志望理由書 | ◎ | ○ | |||
活動レポート | ○ | ◎ | |||
資格・検定試験の成績 | ◎ | ||||
推薦書 | ○ | ○ | ○ | ||
レポート | ○ | ◎ | |||
面接試験 | ○ | ○ | ◎ | ||
院友子弟等特別選考 | 調査書 | ◎ | 院友子弟等で本学科に対する強い志向性があり、外国語・外国文化を学ぶ上で必要な基礎学力を持つ者を受け入れます。 | ||
志望理由書 | ◎ | ○ | |||
活動レポート | ○ | ◎ | |||
課題図書に基づくレポート | ○ | ◎ | |||
資格・検定試験の成績 | ◎ | ||||
面接試験 | ◎ | ◎ | ○ | ||
学士・一般編入学 | 資格・検定試験の成績 | ◎ | 本学科への学士入学または一般編入学を強く望み、外国語・外国文化を学ぶ上で必要な基礎学力を持つ者を受け入れます。 | ||
面接試験 | ◎ | ◎ | ○ |
このページに対するお問い合せ先: 文学部資料室
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