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史上24人目の通算100安打を目指して 硬式野球部 山崎剛選手

大学生活最後となる今季、東都大学リーグ史上24人目となる通算100安打の大記録に挑む

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硬式野球部  山崎剛

2017年3月1日更新

毎年、白熱した激戦が続く東都大学リーグ1部の常連校として活躍する國學院大學硬式野球部。山崎剛(やまさき つよし)選手は、2年時には打率.400を記録して首位打者も獲得した巧打好守の内野手です。2年時、3年時は連続でベストナインに選ばれ、昨年は第40回日米大学野球選手権大会の日本代表メンバーとしても活躍。リーグ通算打率.350を誇り、大学生活最後となる今季は東都大学リーグ史上24人目となる通算100安打の大記録に挑みます。新4年生の副主将としてチームを牽引し、今秋のドラフト候補としてプロ野球スカウトからも大いに注目を集めている山崎選手に、硬式野球部の紹介、今季リーグに賭ける思いと自身の意気込みを聞きました。

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―國學院大学硬式野球部は1917年に創部。1931年からスタートした東都大学野球リーグで1部リーグの常連校として活躍しています。野球ファンの間では“人気の六大学” (東京六大学野球)、“実力の東都”と呼ばれ、東都大学野球リーグは毎年、熾烈な争いを繰り広げていますね。

山崎剛選手(以下、山崎):はい。東都リーグは4部制に分かれていて、春と秋にリーグ戦をやっているんですが、毎年、上位の部の最下位とその下の部の優勝チームで入れ替え戦が行われます。いつも1部リーグにいられるわけではないんです。なので、毎試合、少しも気が抜けません。自分たちも毎年、すごくプレッシャーはありますが、先輩方がずっと頑張ってこられた歴史があるので、甘えたことは言ってられない。六大学リーグは入れ替え戦もなく、いつも明治神宮野球場が使えますけど、東都は1部リーグに残らないと憧れの神宮で試合ができない。だからどの大学も必死だし、毎試合、違ったすごい緊張感があります。

―鳥山 泰孝監督率いる國學院大學硬式野球部のモットーは「自立」「団結」「徹底」だそうですが、常に1部で生き残れている強さの秘密は?

山崎:4年生が中心となったチーム作りだと思います。大学の部活は普通、先輩が下の学年を動かしていくのが当たり前だと思いますが、うちは例え雑用のようなことでも、4年生が率先して動くんです。先輩が偉そうにせず、身を以てチームを引っ張るから、後輩はそれ以上に頑張る。それが自然とチーム力を高めています。そして、細かいことをおろそかにしない。グラウンドでは歩かずに常に走って移動する、道ばたの小さなゴミも必ず拾うなど、野球だけでなく生活全てに対して、全員がしっかり取り組んでいます。

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―とても厳しい練習を毎日されていると聞いていますが、選手の1日はどのようなスケジュールで?

山崎:グラウンドや屋内練習場は、ほぼ1日中使えるので、自分たちの授業がない時間はとにかくずっと練習ですね。午後からの授業のときは午前中と夜から、午前中に講義がある選手は午後から夜までとか。週に一度、金曜日は休みですけど、それ以外は毎日、夜8時くらいまで練習しています。春と秋のリーグ戦が始まると、週の前半に神宮で試合があります。

―少しも遊ぶヒマがないですね。

山崎:ないですね(苦笑)。チームの練習が終わってからもみんな自主練してますし。レギュラーになれるかどうかは、結局、個人の練習量で差が出る。筋トレをしたり、自主練をしたり、みんなそれぞれ工夫して頑張っています。

―現在、硬式野球部の部員数はどのくらいですか?

山崎:98人いますね。

―野球は9人でやるスポーツですから、単純計算でも部員の約10分の1しかレギュラーにはなれない。神宮球場のグラウンドに立つためには、相当の努力と訓練をして、まず部内の争いに勝ち残らなくてはいけないですね。

山崎:はい。同じポジションを争うのには先輩も後輩も関係ないので、一度先発メンバーになれたからといって安心はしていられないから、とにかく毎日、練習を積み重ねないといけないです。チームメンバーは全員が大事な仲間だし仲も良いんですけど、ライバルでもある。自分は負けず嫌いなので、誰にも負けたくないです。

―そんな山崎選手は2年生で内野手としてレギュラーを獲得した年に、東都1部リーグのベストナインと首位打者を獲得する素晴らしい成績を残しました。さらに昨年は、第40回日米大学野球選手権大会の日本代表にも選出され、侍ジャパンの一員として活躍されました。山崎選手が日々、好成績を残すために心掛けていることはなんですか?

山崎:とにかく、必死に練習して、試合でちゃんと結果を残すことです。優秀な選手は1年生からレギュラーを獲れるんですが、自分はそれができなかったのですごく悔しかった。そこで必死に練習して、2年からセカンドを守らせてもらっていますけど、レギュラーになれば試合に出続けるために努力が必要です。どうやって調子を維持し続けるかでさらに苦しい思いをしますが、どんな状況でも「マイナスなことを考えない」というのは常に心掛けています。自分の調子がいまひとつでも、そこで落ち込んでいたらチームに貢献できないので、悪い状況でも「次にどうすべきか?」を考えるようにしています。

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―山崎選手は今年度のドラフト候補の呼び声も高いですが、やはり目標はプロ入りですか?

山崎:子どもの頃から憧れはありましたけど、國學院に入ってから、「プロに行きたい」気持ちが強くなりました。そして、どんな立場でも少しでも長く野球を続けられたらいいなと。プロ野球なら同じ内野手である井端弘和選手(現読売ジャイアンツコーチ)や荒木雅博選手(現中日ドラゴンズ)、藤田一也選手(現東北楽天ゴールデンイーグルス)のような、守備も上手く打撃も一流の選手が目標です。でも、今はまず、4月からの4年生としての最後のリーグを勝ち抜くことが大事。その結果が、将来に繋がると思っています。

―副主将として、チームを引っ張っていかなければならないですからね。今年の國學院は、どんなチームになりそうですか?

山崎:去年の11、12月から新チームの体制を強化中ですが、非常に力はあると思いますが、それを発揮できればいいチームになると思います。うちの持ち味は、徹底した守備力と攻撃力のバランスの良さ。守備の連携プレーなども今、頑張って鍛えているところなので、シーズン開始を楽しみにしてもらいたいです。

―今季、とくに注目してほしい選手を紹介してもらえますか?

山崎:ピッチャーは安西拓人ですね。球速は140 km/hくらいなんですが、コントロールが良く、球が強い。彼の活躍は、今年の勝敗を左右すると思います。そしてキャプテンの諸見里匠。ポジションはショートで、自分と二遊間を守っているコンビなんですが、諸見里が打たなければチームが勝てないので、守備もバッティングもふたりで引っ張っていきたいです。あと、今年は控えのキャッチャーに回る川野辺将也はめちゃめちゃ面白い仲間なんです。チームを盛り上げてくれるムードメーカーなので、試合ではベンチワークにも注目してもらえたら嬉しいです。

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―もちろん、大学野球ファンは山崎選手の活躍にも期待しています。とくに今年は、東都リーグ史上24人目となる「通算100安打」達成の大記録まであと31安打と迫っています。

山崎:ありがとうございます! 100安打のほうも打率3割以上を目標にして、1打席1打席を大事にしていけば、結果としてついてくるのでは?と思っています。個人的には、ずっと続けてきた筋トレの成果も出て、長打力もついてきたので、打率3割以上で、盗塁数もいい記録が出せるよう、打って、守って、走っての活躍を目指して頑張りたいです。でもいちばんの目標はやっぱり、2010年以来のチームのリーグ優勝。 去年は、春季リーグの最後に東洋大に僅差で負けて、勝率差で、2位に。秋季は4位と低迷してしまったので、最終学年のメンバーとして、ぜひ自分たちの代で優勝したいです。

―応援があると力が出るかと思います。応援に来られる方にみどころをお教えください。

山崎:東都大学リーグは、六大学に比べて知名度は低いですけど、一試合、一試合が接戦で、すごく面白いと思います。応援の声があると燃えるので、みなさんもぜひ一度、神宮球場まで足を運んでください。

 

 

 

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