令和7(2025)年8月30日、國學院大學博物館にて、特別展「アイヌモシㇼ―アイヌの世界と多様な文化―」の関連イベント「アイヌ文様を描いてみよう」が開催されました。
アイヌの文様は「モレウ(渦巻き文)」や「アイウシ(棘・括弧文)」といった基本の文様を組み合わせて、衣服や道具類にふされたもので、生活のなかで伝承されてきたもの。本日はウポポイ(民族共生象徴空間)職員の北嶋イサイカ氏と両角子氏の指導のもと、約20名の参加者がアイヌの文様をトートバックにうつし、描くことに挑戦しました。
はじめに北嶋氏がアイヌ文様を刺しゅうした衣服や小物類を紹介。文様は地域や作者によって描き方が異なっており、それぞれ伝えられた方法を大切にしながら、もの作りを行っていると説明しました。参加者たちは豊かな文様と精緻なステッチに驚きつつ、文様が一筆書きで描くことができるため意識して描いて欲しいと促されると、ゆっくりと力強くペンやクレヨンを走らせ、一心不乱にアイヌ文様に取り組んでいました。
翌31日には、アイヌの文様を刺しゅうで刺すワークショップ「刺しゅう体験」が2回開催され、昨日に引き続きウポポイの北嶋イサイカ氏と両角佑子氏が担当しました。
北嶋氏らの指導により、5人の参加者がチェーンクロスステッチという技法での刺しゅうに挑戦。5名の参加者は、これまでにあまり手芸に取り組んでこなかったとのことでしたが、北嶋氏と両角氏の丁寧な指導のもと、全員1時間ほどで刺しゅうを完成。アイヌ文様の刺しゅうに見られる「ツノ」の部分も再現できると、全員が満足そうな表情でそれぞれの作品を眺めていました。
最後に北嶋氏は、東京近郊ではアイヌの文化を体験する機会が少ないため、ぜひウポポイに遊びにきて欲しいと述べていました。
国立アイヌ民族博物館共催の特別展「アイヌモシㇼ―アイヌの世界と多様な文化―」ではアイヌの文様が描かれた衣装なども展示されており、着用することもできます。ぜひご覧になってみてください。