2024年5月16日更新
観光まちづくり学部2年(取材時) 三村 紗唯さん
3年生になったら就活で忙しくなるので、時間のある2年生の夏休みに何かをしたいと思い、温泉津(ゆのつ)町でのインターンシップに参加しました。温泉津町は島根県中央部に位置する小さな町です。古くから温泉が有名で、町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。港町でもあり、石見銀山で採掘された銀の輸出港であったことから、世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部にもなっています。
インターンというと、ホテルや旅館など一カ所で働くというイメージがありますが、温泉津でのインターンはそれとは異なり、毎日午前と午後で働く場所が異なっていました。例えば、午前は旅館で朝食の盛り付けや掃除など、午後は山に行って木の伐採、次の日の午前はカフェで手伝い、といった具合です。どれもマニュアルがないので最初は戸惑いましたが、その都度皆さんが丁寧に教えてくださったので、なんとかこなすことができました。
今回のインターンシップで一番嬉しかったのは、町の方々が温かく受け入れてくださったことです。2週間ほど滞在したのですが、小さな町なので地元の人から「見かけない顔だね」と声を掛けられたり、観光客に「どこから来たの?」と訊かれたりして、そのたびに「大学のインターンで来ています」と答えていました。滞在期間中、10回以上は言ったのではないでしょうか。しばらくすると皆さんと顔なじみになり、町中どこでも会うとまるで昔からの知り合いのように親しく挨拶をしていました。
山での作業用に借りたもんぺ
山で石垣づくり
多くの地方都市がそうであるように温泉津町も以前は少子高齢化が進み、温泉街もさびれる一方だったそうです。しかし、今は新しい施設がいくつもできたり、移住者が新しいビジネスを始めたりと、活気あるまちに変わりつつあります。
温泉津の温泉街にキッチンやコインランドリー、ドミトリーを併設した「WATOWA」という施設があります。ここのキッチンでは日本中から月替わりでシェフがやって来て料理を出すというユニークな試みをしています。また古民家を再生してテーマの異なる宿泊施設もいくつかあります。WATOWAもこれらの宿泊施設も、約10年前に家族で温泉津に移住してきた一人の女性が始めたものです。その女性が“何もないこと”をテーマに古民家再生の一棟貸しの宿泊施設をつくろうとしたとき、住民から「こんな不便なところに人は来ない」「お金をかけてリフォームしても利益が出るはずがない」などと反対されたそうです。それでも根気強く説得を続けてオープンさせました。今では人気の宿泊施設になっていて、私がいたときもフランス人が宿泊していました。
最近、東京から移住してきた女性もいました。私とそれほど歳が違わないのに、サウナやギャラリーが併設された複合施設「時津風」を借りてカフェを開きモーニングを提供していて、いつも多くの人が集っていました。ほかにも、石州和紙で神楽のお面を作っている人や、地ビールの開発などを行っている女性グループなど、さまざまな人と話をすることができました。私は元々行動力のあるほうではありません。でも、皆さんのすごい行動力に刺激を受け、私ももっと積極的にいろんなことに挑戦していこうと思いました。
夏祭りを手伝ったり、神楽を見たり、このインターンシップでは多くの経験ができました。海も山も温泉もあり、人も温かい温泉津に来年もまたインターンに行く予定です。
海の見える食堂での昼食
モーニングの提供
このページに対するお問い合せ先: 観光まちづくり学部
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