街と人に寄り添い、
地域をつなぐ核となる。

2020年6月24日更新

西久保八幡神社 奉職(勤務)[取材時]禰宜 園田 治穂さん(平成28年3月卒業)

東京タワーや六本木に近い、都会の中の小さな社。そこが私の奉職する西久保八幡神社です。母の実家であるこの場所には幼い頃からよく遊びに来ていましたが、特別な興味を持つようになったのは、高校3年生のときに鎮座壱千年を記念する祭礼に参加してからです。町会のお神輿がいくつも出て、神楽の前には人々の笑顔。身近なこの神社が、地域をつなぐ核になるなんて--と感激し、このとき神職を目指すことを決めました。

入学して驚いたのは、神道の歴史や古事記・日本書紀の解釈から、祭式の実践作法、宗教法人法などの宗教行政まで、神職についての学びが実に多彩だったことです。身を清めるための大祓詞(おおはらえことば)を、何十回も唱えた厳しい神社実習。日枝神社の宮西権宮司(現宮司)から、七五三詣の記念品として巫女さん姿のリカちゃん人形を用意した試みについて伺い、「そんな風に神道の文化を伝えていく方法もあるんだ」と胸を躍らせたご講話の授業。これまで知らずにいた神職の多くの面に触れ、4年間で自分の道をじっくりと探ることができました。

卒業後は渋谷氷川神社に3年間奉職し、平成31年に当社の禰宜を拝命。前の奉職先では自分にできるご奉仕をするだけで精いっぱいでしたが、当社では、ご祈願や神符神札の授与だけでなく、宮司を務める叔父とともに私も運営について考えていかなければなりません。この1年は、大学時代に学んだ実務の知識にもかなり助けられました。このエリアでは、絶えず街が姿を変え、人が動いています。例えば建物の建設や工事の始まりと終わり、そして、結婚や家族の成長。ご祈願を通して人生の節目に立ち会い、地域に寄り添えることは、私にとってこの上ない喜びとなっています。

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