研究室探訪―黒澤 直道 先生

2017年3月30日更新

中国の少数民族―ナシ族の言語と文化

 多民族国家である中国の1民族、ナシ族(納西族)の言語と文化を学んでいます。15年ほど前に中国南方の雲南省に渡り、ナシ語の勉強を始めました。当初はナシ語を教える先生もおらず、十分な教科書もなく、手探りでのスタートでした。それでも近所のナシ族の人たちの協力と暖かい応援のお陰で、一定レベルのナシ語を習得することができました。現在も、年に1度は現地に足を運んで勉強を続けています。 ナシ族の人々は、彼ら独自の言語であるナシ語の他に、中国の共通語である漢語(漢民族の言語)も話し、人によってはチベット語や、その他の周辺民族の言語も話します。中には日本語が堪能なナシ族もおり、言語コミュニケーションの達人と言えるでしょう。彼らの育んできた伝統文化には、ナシ族独自の要素と共に、様々な周辺民族の文化が溶け合っています。言語を核として、異文化と向き合い、取り入れ、独特の発展を形作ってきた彼らの生き様は、我々に様々な示唆を与えてくれます。

 
 

 

 

 

 

ナシ族の絵文字、「トンバ文字」。

 

 ナシ語で書かれた様々な書籍。

 

 

 

 チベットのマニ車。
ナシ族にはチベット文化の影響も。

 

チベットの大型の牛、ヤクの置き物。

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