研究室探訪―上石田 麗子 先生

2017年3月30日更新

19世紀末から20世紀初頭にかけての文学・芸術運動「モダニズム」の研究

 D. H. ロレンスやヴァージニア・ウルフといった20世紀初頭のイギリス人モダニスト作家への関心から、研究の世界に入りました。昨年、ノッティンガムやテキサスへ、ロレンスの手稿を見に行きました。活字ではなく、作家の手書き文字や、タイプ原稿に加筆された訂正箇所からしか見えてこない作品成立の軌跡があるのを実感しました。モダニズム文化を研究していることから、産業革命を発端とする大量生産技術の発展およびそれに後続する大量消費時代が、文学・アートに与えた影響にも関心があります。「大量生産・大量消費時代のアート」という観点から、映画やグラフィティも研究しています。水曜日はだいたい研究室に在室していますので、イギリス小説や英米圏の映画に興味のある方は、気軽にお立ち寄りください。

ケンブリッジ版の作品集。表紙はロレンスが後年シンボルとして使っていた不死鳥のイラストです。

左は、ロレンスの小説や詩について1990年代までに書かれた論考を集めた批評集です。論文を書くときに使います。右はロレンスの友人で神秘主義者のイギリス人画家フレデリック・カーターの著書です。44歳の若さで亡くなりましたが、膨大な作品を残しました。ノッティンガム、イーストウッドにある彼の生家は、現在ロレンス博物館として保存されています。

 
 
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