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「心で踊る」チアダンスで目指すは世界

見る人を元気づける演技の源とは?

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ドリル競技部 SEALS 窪谷映美主将(初教3)、山本夏美副将(初教3)

2018年5月23日更新

 アメリカンフットボールなどの応援を起源とする米国発祥のチアリーディング。そのダンス部分を独立させたチアダンス(以下、チア)は、日本では約30年前に競技として行われるようになった。「ダンスドリル」「ソングリーディング」とも呼ばれ、宙返りや組み体操といったアクロバチックな動きで競うのではなく、踊りの技術や振りつけ構成、チームとしての一体感や表現力などが、大会での採点対象となる。女子部員のみで活動する國學院大學ドリル競技部「SEALS(シールズ)」は、今年3月の「USAナショナルズ2018」(以下、USA大会)で2位に輝くなど全国大会で上位入賞を続ける強豪だ。窪谷(くぼのや)映美主将(初教3)と山本夏美副将(同)に、今後の目標やチアの魅力、部活動を通じた自らの成長について聞いた。

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窪谷映美主将(右)と山本夏美副将

家族のような存在

――2人ともチアの経験者ですが、始めたきっかけを教えてください。

窪谷選手(以下、窪谷) 小学3年の頃、地元(千葉県成田市)でチアのチームが設立されると聞き、体験しに行きました。そのときに見た高校生の演技に憧れて始めました。

山本選手(以下、山本) 保育園の友人がチアをしていたことがきっかけで、中学2年まで地元(東京都渋谷区)のクラブチームで続けました。チームの解散後は、並行して入っていた中学の陸上部で活動しました。

――大学でチアをしようと考えていたのですか。

窪谷 高校3年間のチア生活でやり切ったという気持ちがあり、そこでやめようと…。でも、引退してみると「ダンスのない生活はつまらない」と感じるようになりました。後輩の演技を見て、踊りたい気持ちがますます高まり、チアができる大学を選びました。

山本 中学、高校の陸上部でチームメートを応援しているうちに「応援って楽しい」と感じるようになり、またチアをしたいと考えていました。箱根駅伝を見るのが好きでしたから、「チアで箱根駅伝を応援したいな」とも考えて大学を探しました。

――チアの経験は、初等教育学科を選んだ理由にもなっていますか。

窪谷 高校で部長をしていたとき、チームを引っ張ることの責任と、自分の指示で皆も一緒に成長してくれることへの喜びを感じました。指導者や教員になりたいという夢につながっていると思います。

――チームは自分にとってどのような存在になりましたか。

窪谷 たまプラーザキャンパス若木21のフロアを主に使用しながら、普段は週4日、大会前は週5、6日、練習しています。ほぼ毎日、チームメートと顔を合わせているので、家族のような、宝物のような存在です。大げさな言い方かもしれませんが、出会えた仲間と踊れることは奇跡だと思っています。

山本 練習に遊びに、ほとんどの時間をチームメートと過ごしているので、私にとっては大学生活=(イコール)SEALSです。

 

練習外にも培う一体感

 

――昨年11月の「第17回全日本チアダンス選手権大会・第15回全日本学生チアダンス選手権大会」(以下、JCDA大会)を終え、先輩からチームを引き継ぎ、幹部となりました。主将を任され、自分自身に変化を感じていますか。

窪谷 主将になり、チーム全体のこと、そして部員一人一人に目配りすることが、とても大切だと実感しています。大会の規定人数によっては、本番で踊れないメンバーもいます。でも、「全員でSEALSだ」という思いを忘れず、出場できない仲間とも一緒に練習に臨んでいます。また、どうすれば部活動に取り組む意識を後輩に高めてもらえるかについても、よく考えるようになりました。今では、皆の表情を見ていると、チームの状態や雰囲気が分かります。

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今年3月に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「USAナショナルズ2018」で、感情のこもった演技を見せるSEALS

 

――演技で最も重要な一体感を出すために工夫していることはありますか。

窪谷 一体感を出すために大切なことは「心で踊る」ことで、私たちの課題です。曲や振り付けのイメージによって、この部分では何を思い、どういう表情にするかということを全員で共有しなければ、一体感は出せません。チーム全員の感情や笑顔が一つにならないと、見ている人に表現したいことが伝わらないからです。練習では、自分たちの姿を鏡に映したり、OGに見ていただいたりしながら、同じ表情、動きをチェックしています。

山本 練習以外の時間も大切です。練習後に皆でご飯を食べに行ったり、オフの日に一緒に遊んだりもします。こうして培ってきた雰囲気の良さや部員同士の信頼感は、演技に良い形で影響していると思います。今後もつなげていきたい伝統です。

――「心で踊る」ことで、見ている人にどんなことを伝えたいですか。

窪谷 高校生の頃は自分が踊ることに精一杯でした。技術も大切だったのですが、部内の厳しい礼儀やルールを意識し過ぎて、演技で感情や感謝の気持ちを表現する余裕はありませんでした。でも今は、大会で踊れなかった部員の思いも伝えたいという気持ちが演技中に湧いてきます。そして、このメンバーで踊れるのは当たり前のことではなく、支えてくださる人がいて、恵まれた環境があることへの感謝を込めています。こうした感情を込められるようになったのは、大学に入って成長できたからだと思います。

山本 中学2年までのチア生活はただ習い事をしているような感じでしたが、今は部活動にチアを選んで集まったチームメートの情熱や、家族をはじめ応援してくださる人たちへの感謝、そして大好きな仲間への愛を込めて踊っています。見ている人にも伝わってほしいです。

 

ライバルと競い、新たな歴史を

――USA大会では大学編成Pom部門Smallの3連覇がかかる中、全国2位という成績でした。心境を聞かせてください。

窪谷 1~3年生部員17人(当時)のうち、出場枠いっぱいの14人で演技しました。優勝したい気持ちはもちろんありましたから、悔しかったです。でもそれ以上に、皆で取り組んできたことや、主将としてチームをつくり上げてきた過程を振り返ると、とても楽しく、やり切ったという充実感のほうが大きかったです。学生らしい最も印象的な演技と容姿のチームに贈られる特別賞「ベストアピアランス賞」もいただけました。この賞は、チームの雰囲気や一人一人の思いが観客や審査員にも伝わった結果ですから、2位という成績と合わせて、優勝と同じくらいの価値があると思っています。

 

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「USAナショナルズ2018」の大学編成Pom部門Smallで2位に輝き、表彰式でトロフィーを受け取る窪谷主将(右)と山本副将

 

――USA大会の優勝は、有力チームの桜美林大学ソングリーディング部でした。SEALSにとっては、どんな存在ですか。

窪谷 桜美林が強いことは、以前から知っていました。桜美林はこれまで、Small部門より人数の多いLarge部門に出場していましたが、今回は同じ部門で争うライバルとなりました。予選の演技を見ると、レベルが高く、圧倒されましたが、技の完成度では負けていないと感じ、とにかく自分たちの技に磨きをかけて挑みました。今回は一歩及びませんでしたが、次は桜美林に勝って優勝し、SEALSの歴史に新たな実績を刻みたいと思います。革命を起こすくらいの気持ちで、競っていきたいです。

 

世界で通用するチームに

 

――今春には新入生が入部。新チームの目標を聞かせてください。

窪谷 新入生16人を含む全33人のチームになりました。一番の大きな目標は、チアの本場である米国で行われる大会に出場することです。出場権は国内で結果を残さないと得られませんから、力をつけて世界で通用するチームになりたいと思っています。世界の舞台で、皆で踊ってみたいです。

――チアの魅力をどう感じていますか。

窪谷 一人では成り立たない競技で、チームだからこそできるところが一番です。技術面だけでなく、気持ちも皆で一つにして演技をしますし、指の先まで全身、そして感情も、自分の全てを使って踊っていることが、とても魅力的だと思います。

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山本 チアは見る人を元気づけるための競技であるとともに、踊っている自分も楽しいです。自分たちの笑顔で、見ている人の心を動かせるスポーツであることが、本当にすてきだと感じています。競技大会に加え、各種イベントにも参加していますので、私たちの演技をぜひ見にきてください。

 

 

 

このページに対するお問い合せ先: 広報課

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