令和7(2025)年11月8日、渋谷キャンパス2101教室にて、令和7年度 國學院大學研究開発推進機構 公開学術講演会「顕れる神々の中世」が開催されました。本講演会は國學院大學博物館で開催中の企画展「中世日本の神々―物語・姿・秘説―」に関連して行われ、会場には、中世の説話文学、宗教および信仰などに関心を寄せる250名以上の聴講者が集まりました。
冒頭、笹生衛・研究開発推進機構長(神道文化学部教授)は「今年度の公開学術講演会は本学博物館の企画展「中世日本の神々―物語・姿・秘説―」と連動しての実施となる。本企画展は中世の人々がイメージした神々の姿を文字資料だけではなく、絵画資料を交えての展示であるが、本日は中世の神々の研究の第一人者である、龍谷大学文学部および名古屋大学高等研究院客員教授の阿部泰郎先生を招き、「顕れる神々の中世」と題して講演いただく。本講演の内容から展示されている神々のイメージの背景にある奥深い信仰世界の理解を深めてもらいたい」とあいさつしました。
大東敬明・研究開発推進機構教授の主旨説明の後、阿部泰郎氏が登壇し、講演を行いました。中世初頭に源顕兼によって編まれた『古事談』の中から、神々が顕現する説話を紹介し、そのテクストの変遷や絵画に描かれた姿を丁寧に紐解きながら、中世における神の顕現の諸相を詳述。同氏の長年にわたる研究成果の一端を窺い知ることができるような講演に、参加者は資料を丹念に読み込みながら熱心に聴講しました。

博物館の企画展「中世日本の神々―物語・姿・秘説―」は11月30日(日)まで開催。展示紹介動画もオンラインミュージアムで配信しています。
