法学部×大学院進学

2019年12月27日更新

~恩師という目標をめざして~

大学院生(政治学専攻) 荻健瑠さん

一人の研究者として、この人を超えてみたい。そんな思いへと自身を駆り立てた恩師との出会いを機に、大学院進学を決意した政治専攻・卒業生の萩健瑠さん。現在は大学院の政治学研究科で、修士論文を準備中です。國學院大學の政治専攻で出会った永森誠一先生との師弟関係を中心に、学部生時代の原点について聞きました。

勉強がしたい。その思いで大学院へ

――約40年にわたり國學院大學で教鞭をとった永森誠一先生(元・法学部教授、政治学者)のゼミの最後の教え子ですね。学部生時代に永森ゼミを選んだ理由を教えてください。

 

政治専攻では2年次からゼミが必修です。そこでゼミの所属先を探していた時に、サークルの先輩から「ナガモリという、大変懐が深く、おもしろい先生がいるぞ」と勧められました。永森ゼミでは、基本的にすべてが学生の自主性にゆだねられます。いわゆる自由放任主義です。だからさぼろうと思えばいくらでもさぼれるし、研究を突き詰めようと思えばいくらでも突き詰められるゼミでした。一方で歴代、優秀な学生が集まることで知られ、大学を首席で卒業した先輩もいました。やりたいことを思う存分やりたいタイプの私にとって、まさに水があったのが、そんな永森ゼミだったんですよね。

 

 

――大学院への進学を決めたきっかけを教えてください。

 

それから政治学にのめり込むまでに、さほど時間はかかりませんでした。永森ゼミで、とてつもなくおもしろい学問に出会い、研究の道へ進み現在に至ります。まず、永森先生の政治に対する見立てや切り口が、メインストリームの研究とは少し違ったんですよね。それで3年次になると永森先生みたいな研究をやりたいなと。そして先生と並んで、さらには先生も超えるような研究をしたいという、大それた野心のようなものも芽生えてきました。永森ゼミは通常のゼミのあと、ほぼ毎回、喫茶店や居酒屋に場所を移しての「自主ゼミ」がありました。ここでも研究談義が尽きぬなか、永森先生に大学院進学について悩んでいると打ち明けました。すると「いいんじゃないの」と、ごく簡単に肯定的な返事が返ってきました。勉強をできるというのは、すごく贅沢なことだと。それが許されるならば、挑戦すればいいと。ただ勉強したい、という思いだけで大学院へ進んでいいんだと、先生の言葉に背中を押してもらいました。

まだまだ遠い、恩師の背中

――永森先生の「最終講義」では、最後のゼミ生として感無量だったのでは。

 

2019年1月に開講した永森先生の「最終講義」では、私は裏方のスタッフを務めていたため、ゆっくりと講義を聴くことができませんでした。当日は受付を担当していたのですが、芳名帳にはこれまで著書を通じて慣れ親しんできた高名な政治学研究者の名前がずらり。そんな諸先生方を目の前に、政治学者を志す者として背筋がぴんと伸びるほど緊張しました。それと同時に、永森先生の研究者としての存在の大きさをあらためて実感しました。

 

――恩師である永森先生は、超えられそうですか?

 

いや、先生がいらっしゃる高みはまだまだ遠いです(笑)。最近になってようやく、少し遠くに背中が見えてきた感じでしょうか。でも、学部生時代は何を考えているのかもわからないような、とにかく途方もない方だったので、最近はこういう考えをしているのかというのが掴めるようになりました。他大学の院へ進んだ今も、永森先生のもとへは論文の相談などに伺っています。先生と話すたびに、鋭い指摘に感服したり、斬新な視点に心底驚かされたり。そんな師弟関係は学部生時代からずっと変わりません。

二人三脚で、先生とともに学ぶ

――卒業後の今あらためて感じる、政治専攻の魅力とは?

 

少人数制で先生と学生との距離が近いことです。この環境があるからこそ、「この人のもとで学びたい」と、心から思える先生と出会えるのだと思います。私にとっては、それが永森先生であり、ほかの学生にとっては、茢田真二先生(西洋政治思想史)や坂本一登先生(日本政治史)といった先生方かもしれません。永森先生との交流の中では、先生の守備範囲から少し外れた質問や疑問を投げかけても、「この分野は僕もまだ十分に知らないので、君と僕とでまず文献を読んでそれから一緒に考えていこう」と返してくださり、先生と二人三脚で勉強していった印象が強く残っています。私だけに限らず、永森先生はどの学生に対しても同じように接していましたからね。さらに、國學院大學全体でいうと、学びたいことがピンポイントである大学だと思います。多少マニアックな分野であっても、学生に意欲さえあれば応援してくれるおおらかな学風も、魅力ではないでしょうか。

 

――大学院への進学を考えている後輩へのアドバイスをお願いします。

 

ぜひ、最初にゼミの先生のもとへ気軽に相談に行ってください。ゼミの先生と一つひとつコミュニケーションを重ねることで、自分が進むべき方向性も見えてくると思います。あとはたくさん本を読み、やりたいと思ったジャンルで、大学で自分が一番知っていると胸を張って言えるくらい学ぶことです。本が読み足りていないと、私も先生から何度も叱られてきました。でも、膨大な書物と対峙し、知を蓄えることが研究の道へ進む上での自信にもつながります。そして、自身の研究の新規性や独創性を探るための第一歩となります。

プロフィール

國學院大學 法学部 法律学科 政治専攻2019年卒/法政大学大学院 政治学研究科 修士課程在学中/現在は「戦後日本の文民統制」をテーマに研究を進める。國學院大學在学中は、歴史研究のサークル「史学会」に所属。ここで歴史をタテの時間軸とヨコの時間軸の2軸で探究した経験が、今の研究にも活きていると語る。

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