公務員養成コースでの学びと挑戦
(法学研究科座談会)

2024年1月12日更新

國學院大學大学院法学研究科公務員養成コースでは特色ある学びにより、学生の成長を促す学修がなされ、積極的な就職活動を結んでいます。本座談会では所属学生の声を通して本コースの学びと就職活動を中心に、みなさんの意見や感想を聞いております。公務員養成コースへの進学を考えている方は、ぜひご参考にされてください。

参加者(左から、山村君、河内君、高橋教授、柿本君)

大学院修了後は国や地方自治体等多様な進路へ

高橋教授(以下、司会) こんにちは、今日の座談会では、大学院の法学研究科公務員養成コースに在籍している3人の学生をお招きしました(2023年12月現在)。みなさん、無事に国や地方自治体、外郭団体への就職が決まりまして、私としてもとても嬉しく思っています。そこで、この公務員養成コースでの学びと就職活動について、みなさんの意見や感想を聞いてみようと思います。公務員養成コースへの進学を考えている方は、ぜひ先輩たちの意見を参考にしてみてください。それでは、まずは自己紹介をお願いいたします。

柿本君 柿本拓郎と申します。行政法を専攻していまして、今はコンパクトシティ問題を研究しています。今年度の試験では第1志望の総務省(国家公務員一般職)に内定をいただき、春から地方自治に関する国の事務に携わります。

司会 柿本君は早期修了(1年修了)を目指しているのですよね?

柿本君 そうです。まだ修士課程の1年目なのですが、元々早期修了を目指していて、今は論文を執筆しています。ただ、この早期修了だと、本来2年間かかる単位の修得と論文執筆を1年でしないといけないので、かなり大変です。できれば、学部のうちに先取り履修をしておいた方がいいでしょう。

山村君 こんにちは。山村公平です。同じく行政法を専攻していまして、地域包括ケアについて論文を書いています。実は中々公務員の内定がでなくてかなり苦戦しましたが、神奈川県庁に合格しまして、4月から働くのが楽しみです。

川内君 こんにちは。川内万宙です。僕は憲法を専攻していまして、住民投票と外国人参加をテーマして論文を書いています。僕は地方職員共済組合地方共済事務局(東京都千代田区)に就職が決まりました。仕事の内容としては、主に道府県職員の方の年金、医療給付、福祉事業を担当します。簡単に言うと、地方公務員の方やそのご家族の方たちを支える仕事となります。

司会 ありがとうございます。共済組合の名前は時々聞きますが、仕事の内容はあまり知られていないかもしれませんね。国や地方自治体以外にも、公益的業務を担う外郭団体も有望な就職先になりますね。

公務員養成コースを選んだきっかけ

司会 改めて、3人とも無事に内定が出てよかったですね!不安も大きかったと思いますが、公務員養成コースでの学びが役に立ったと思います。それでは、公務員養成コースに進学しようとした経緯について聞かせてください。

川内君  僕の場合、大学4年生の時に公務員試験に挑戦し、一度は不合格という経験がありました。その時、就職サイトなどを見ている中で、公務員を支える仕事に興味を持ち、國學院大學の大学院に公務員養成コースがあることを知りました。進学の動機は、更に法律について学ぶことができるのに加えて、実際の公務員との交流ができることや実務理解が得られると考えたからです。

山村君 僕も学部4年生の時に公務員試験が上手くいかず、ゼミの先生である高橋先生からこの公務員養成コースを紹介してもらいました、学部生時代に「先取り履修」で大学院の科目を受けたことがあったので、大学院に興味を持っていました。それが決め手だったと思います。

司会 そうですね。本学の大学院では「先取り履修」という制度を設けていまして、学部生でも、一定の条件を満たすと大学院の科目を履修して単位を修得することができます。大学院を体験できる良いきっかけになっています。

柿本君 僕は学部4年生のときは最終試験には合格できたのですが、採用面接であと一歩届かず、非常に悔しい思いをしました。だからこそ、大学院での1年間で必ず結果を出したいと思いました。

司会 そうですね。やはり学部生の時の悔しい経験があったと思います。大学院に進学して再チャレンジするのは勇気の要る決断だったと思いますが、一生のことですので、悔いが残らないようにチャレンジするのは大事ですね。

山村君 学部を卒業して、そのまま公務員浪人することも考えたのですが、やはり大学院に在籍していた方がしっかり勉強できるし、キャリア形成に役立つと思いました。

司会 ありがとうございます。確かに、学部を卒業して予備校に通って再チャレンジする学生も多いです。それも一つの選択肢ですが、公務員養成コースでは、教員の指導の下、学部から継続して学べることが魅力だと思います。また、学位も習得できますので、予備校にないメリットがあると思います。

終始、和やかな談話会となりました。

公務員コースでの学び

司会 それでは、大学院ではどのように学びましたか、そして、特に有益だった科目について教えてください。

川内君 はい、大学院では修士1年目に試験対策を進めまして、2年生になると試験対策と同時にプロジェクトペーパー執筆と面接対策を行いました。特に役立ったのは「公共政策演習」の授業でした。現役公務員やOB・OGの教員と一緒にディベートの練習を通じて、論理的思考能力や意思伝達力が向上しました。

柿本君 僕の場合は1年修了を目指していたので、入学してから試験までの2ヶ月間は問題集や過去問などを集中的にこなしていました。特別な対策はしませんでしたが、やはり「公共政策演習」や「キャリアプランニング」といった実務家教員の科目が役立ちました。特に、荻野先生が担当されている「キャリアプランニングA」では各省庁の現役官僚から話を聞くことができたので、志望動機を固める上で大変役に立ちました。

山村君 予備校のテキストや問題集、学生研究室の資料を活用しながら、筆記試験対策をしていました。憲法や行政法関係の「実践研究科目」では試験対策もしていたのですが、それらだけではどうしても学習量が足りないので、自分で勉強することも不可欠でした。僕の場合も「公共政策演習」が特に役立ち、現役公務員からの実務的な知識を得ることができました。公務員になった後のスキルが身に付きましたし、このことが面接試験の合格につながったと思います。

司会 なるほど、実務家教員による科目は公務員養成コースの中核科目ですので、それが役に立っているということで嬉しいです。公務員を目指す学生たちに、国や地方自治体で最先端の業務を担っている実務家と交流してほしいという願いから、これらの科目を開設しました。ここでの学びは、就職活動の際にも実務に就いた後にもきっと役立つはずです。
それでは、これまで学んできて、公務員養成コースの優れている点と逆に改善してほしい点についてどう思いますか。率直な意見を聞かせてください。

川内君 優れている点として、試験対策だけでなく、公務員経験者や現役公務員との交流があり、実務に関する理解が深まることです。また、同じ公務員志望者が集まって、お互いに切磋琢磨できる環境が魅力です!逆に改善してほしいところは、修了にはプロジェクトペーパーの執筆が必要になりますが、その負担が大きくなることや、選択できる科目数が少ないことだと思います。

山村君 確かに!公務員コースは皆な仲良いよね(笑)。僕は、授業を受けること自体が試験対策になる点や、公務員の実務や現実を学べる点がメリットだと思います。逆に、憲法や民法などの専門科目については大学院の場でかなり学べるのですが、文章理解や数的処理の対策については、自分で勉強しないといけないというのは改善してほしいところでした。

柿本君 僕が考える一番優れているところは、実務家教員や各省庁のゲストスピーカーを招いた講義・ディスカッションがあることですかね。職務内容は勿論、実務に基づく法律の解釈や適用を学び、現職の方からリアルな話を聞くことができるのは大きいです。一般的な説明会や面接対策ではここまでの体験はできないと思います。一方で、実務家教員科目や筆記試験対策に特化した科目が限られていたので、もっとこれらの科目を増やしてほしいなと思いました。

司会 ありがとうございます。確かに、改善点については私たち教員も憂慮しています。学部では数的処理や判断推理を学ぶ授業(「数的推論I・II」や「論理・推理・解釈」)を開講していまして、大学院生もこれらの授業を履修できます。これらの授業も活用して弱点を克服してほしいですね。

高橋信行教授(司会)

後輩たちへのアドバイスやメッセージ

司会 それでは、最後に、後輩たちへのアドバイスやメッセージをお願いいたします。

川内君  そうですね。公務員養成コースでは、同じ目標を持つ仲間が集まり、切磋琢磨できることが魅力です。また、少人数制のため教授との距離が近く、質問しやすい環境であることも魅力です。しっかり学んでぜひ夢をかなえてほしいです!

山村君 川内君の言う通りで、アットホームな雰囲気はとても感じます。公務員養成コースではさまざまな社会問題や行政課題に触れることで面接対策ができます。それと、仲間達との情報交換もできるので、諦めずに頑張り続けることもできます。

柿本君 メッセージと言われると緊張しますね(笑)、公務員養成コースは、実務家教員から学ぶことができる環境が整っているので、進学は勿論、学部生も先取り履修制度を活用して積極的に受講してほしいです。ここでの学びは必ず成功の糧になります!

司会 本当にありがとうございました。今日はお忙しいところ、色々な貴重な話が聞けて良かったです。3人の体験談から、公務員養成コースが筆記試験対策だけでなく、現役公務員との交流や実務の理解、志望者仲間との切磋琢磨をもたらすことが分かってくれたと思います。法学研究科では、公務員試験にチャレンジする方をお待ちしていますので、興味を持った方はまずは大学院事務課(若木タワー5階・電話:03-5466-0142)を訪ねてみてください。

このページに対するお問い合せ先: 大学院事務課

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