教授

林 和生

ハヤシ カズオ

専門分野
歴史地理学、地域研究(中国)
本学就任
1996年04月01日
担当教科
史学展開演習(歴史地理)、史学基礎演習C、史学展開演習1(地域文化と景観)、史学展開演習2(地域文化と景観)、史学情報処理 初級、史学情報処理1、地誌学、地誌学1、文化景観各論2、歴史地理学各論2、地域文化と景観特殊講義、史学特殊講義、史学導入演習、史学基礎演習A、地域文化各論2、人文地理学各論2、史学応用演習(地域文化と景観)、史学応用演習(歴史地理)、卒業論文、前期課程・比較地誌学研究1(演習)、後期課程・比較地誌学特殊研究(演習)

著書・論文紹介

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教授からのメッセージ

ゼミについて
 地域文化と景観コースは古地図や絵図などに描かれた過去の景観を復原する歴史地理学的な手法を基礎に、フィールドワークや各種の文化財・歴史遺産の調査を通じて、環境と生業活動との関わりや、地域に生きた人々の社会生活を明らかにします。
 歴史地理学は現代の様々な景観(都市や村落、交通路や農地、宗教施設など)が、どのような歴史的過程を通して造りあげられてきたのかという問題の解明をめざす学問分野です。そのために人びとが長い時間の流れの中から造りあげた過去の様々な景観(=歴史的景観)の復原を通して、歴史の舞台としての空間(=地域)を人々がいかに組織し開発・利用してきたかを研究し、過去に生きた人々の生活や行動や考え方のあり様までを明らかにします。資料として古地図や絵図、絵画資料、様々な文字史料などを使い、また現地におもむいて景観の観察や聞き取り調査、資料収集なども積極的に行います。
 3年生の展開演習では、前期と後期にそれぞれ共通のテーマを設定して、テーマに関連した学術論文や専門書を数多く読んだり、町並み景観などの調査を通して歴史学や歴史地理学の基本的概念や課題、考え方、固有の研究方法などを学習し、各自の研究に活用できるようにすることをめざします。受講生にはテーマをもとに文献を図書館等で自ら検索して批判的に読解したり、現地調査をもとに発表資料を作成し、順番に報告してもらい、質疑・討論を通して互いに理解を深めていきます。
 4年生の応用演習では、卒業論文の完成という最終目標をめざして、各自の卒業論文のテーマの研究の進展に応じて中間報告を行い、全員で討議して内容を深めていきます。卒論作成に必要な資料収集や分析方法、具体的な論文構成や執筆方法に関する指導も随時行います。受講生は少なくとも必ず三回は発表をすることとし、第一回は卒論テーマに関する研究史の整理と研究課題の設定について、第二回は実際の卒業研究の進行状況に応じた中間発表を、第三回では卒論の章節に従った最終報告をしてもらいます。他の受講生の発表を批判的に聞き、積極的に発言して意見を表明するすることは、自己の研究の自省と思考能力の鍛錬につながりますから、意欲的に演習に参加することを要求しています。
 また、休日を利用して様々なテーマで日帰りのエクスカーションや見学会、休暇期間を利用した合宿なども実施していきたいと考えています。

研究について
 中国の大河・長江の下流部には水路が縦横に走る水郷地帯が広がり江南地方と呼ばれています。江南地方は唐代末から干拓により稲作が発展し、南宋代には「蘇湖(蘇常)熟すれば天下足る」と諺があるように稲作の一大中心地になりました。明代中期からは稲作に代わって養蚕業と綿作が発達し、絹織物・綿織物などの手工業・商業が盛んになりました。
 こうした経済発展を背景に、水路沿いには鎮市と呼ばれる小商工業都市が簇生しました。多くの鎮市は水郷ならではの独特で伝統的な街並み景観を今に伝え、「水郷古鎮」として内外の観光客で賑わっています。私は「水郷古鎮」の歴史と人々の生活空間、街並み景観の保護・修景、また中国近世の商業システムと交通ネットワークの有り様について研究しています。

      
受験生や学生に一言
現在は過去からの時の流れの延長線上にあり、また過去の様々な出来事の積み重ねの上に存在しています。そのため歴史を学ぶことで、現在の社会の成り立ちや人びとの行動様式などを理解し、未来を生きるヒントを得ることができます。現代は数多くの難問に直面し解決に苦闘していますが、私たちは歴史から自らの依って立つ足もとを明らかにして、進むべき方向を考えることができます。
高校まで学んできた歴史は教科書などの記述を理解し覚えることが中心でしたが、大学で学問として学ぶ歴史は、私たちの過去に何を問うかということが出発点になります。自ら過去に「問い」をたて、それを解明するために必要な史資料にできるだけ多く接し、さらに関連する先行研究の成果を参考にしながら、オリジナルな視座からその問いに対する解答を導き出すことが求められます。
大学に入学したら、授業に積極的に出席して歴史を学ぶために必要な知識や技法を身につけることはもちろんですが、情報化社会で生きていくために、日々大量に発信され氾濫する情報の中から、正確で必要な情報を主体的に評価・識別できる能力(メディア・リテラシー)を磨いてください。

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