教授

山岡 敬和

ヤマオカ ヨシカズ

所属
文学部 日本文学科
研究分野
日本中世文学
  • 研究・教育活動

    学位

    博士(日本文学)(日本文学) (2015年3月 國學院大學 文乙第272号)
    修士(日本文学)

    研究テーマ

    論文

    山蔭中納言と天の羽衣(2017/08/15)

    醜女・産女・橋姫の考察(2015/02/15)

    著書

    『ゆく河の水に流れてー人と水が織りなす物語ー」(2018/12/25)

    『説話文学の方法』(2014/02/20)

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教員からのメッセージ

〈イジワルコブタに関する考察〉

〈その1 わかれ道〉

残念なことに、いや悲しむべきことかもしれないが、この世にはイジワルコブタが存在する。もしあなたが、「そんなヤツ、知らない」って言えるのなら、これまでのあなたは他の人よりもちょっぴり幸せだったにちがいない。でも、その幸せも永くは続かない。なぜならイジワルコブタは絶対に存在するのだから……。たとえばイジワルコブタはわかれ道の真ん中なんかに立っていて、30分以上待ち続けているけれど、決して怒ってなんかないよという風な感じの笑顔を浮かべて、あなたがやって来るのを迎えてくれる。標識も何もないT字型のわかれ道を前にして、あなたは彼に道を尋ねるしかない。

「あの、ちょっと教えてくれないかい。ファザー牧場に行きたいんだけど、どっちの道を行けばいいんだろう」

「ああ、ファザー牧場かい。よく知ってるよ。あの牧場のミルクは最高だよネ。それにチーズだって、かなりのもんだよ。キミもチーズを買いに行くのかい?」

「いや、友人が働いていてネ。これから会いに行くところさ」

「ねえ、友人って、もしかして羊オオカミかい? なんだ、やっばりそうか。いや、アイツは本当によく働くよネ。とても羊とオオカミの子供には見えないもの。昨日もさ、オイラが牧場に行くと、アオウミガメとアカウミガメに恋の物語を聞かせてるんだ。思わずガンバレヨって声をかけたけどさ、牧場に行くんなら、アイツによろしく言ってくれないかい」

イジワルコブタの頼みにウンと頷きながら、あなたは右の方角に向かって歩き始める。でも、どこまで行っても牧場には到着しない。沈んでゆく夕陽を見ながら、あなたはきっと途方に暮れることだろう。だって、これがイジワルコブタのやり方なんだから……。

イジワルコブタは必ずこう言うにちがいない。

「オイラは騙してなんかないよ。悪いのはキミさ。キミが勝手に歩き出したんじゃないか」

ところで、あなたはなぜ右に向かって歩き出したのだろう?

(つづく)

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