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國學院大學
伝統文化リサーチセンター

第2回公開講座「國學院の学術資産に見るモノと心」

2009年5月15日更新


1. 開催主旨
 平成20(2008)年10月1日の伝統文化リサーチセンター資料館の全面オープンをうけて、「國學院の学術資産に見るモノと心」研究グループの研究成果を広く一般に公開することを目的とする。
 
2. 日時
 平成20(2008)年10月3日(金) 14時30分~16時
 
3. 場所
 本学渋谷キャンパス学術メディアセンター棟1階常磐松ホール
 
4. 発題者・司会(敬称略)
〈発題者〉
 青木 周平(本センター・教授、研究グループ代表者)
  「武田祐吉の古事記学―講義ノートを通して―」
 齊藤 智朗(本センター・助教)
  「明治20年代初頭の国学と皇典講究所・國學院」
〈司会〉
 松本 久史(本センター・講師)
 
5. 概要
 この公開講座は、10月1日に伝統文化リサーチセンター資料館が全面オープンしたのを受けて、各研究グループが、その研究成果を広く一般に公開する目的で開催された。第3グループ「國學院の学術資産に見るモノと心」研究プロジェクトからは、研究代表者の青木周平と齊藤智朗により講演が行なわれた。
 
[発題1]青木周平「武田祐吉の古事記学―講義ノートを通して―」
 司会の松本による趣旨説明ののち、青木が「武田祐吉の古事記学―講義ノートを通して―」と題して講演を行なった。青木は、昭和12、13年ごろと推定される武田の講義ノートのなかに、「古事記研究(古事記学)」という名称を見出し、まさに「古事記学」をどう展開するか、それが国学研究の重要な1つの柱になるだろうと述べた。ついで「國學院の学術資産に見るモノと心」研究プロジェクトの事業内容がどのようなものであるかを紹介し、武田の学問を継承するにあたって、(1)研究面では「武田の研究史的位置づけと文献学的方法の継承と深化」を、(2)教育面では、「講義や講演の実体の究明による教育方法の継承と深化」を挙げた。最後に武田の講義ノートの解説を通して、武田の『古事記』研究の特色が明らかにされた。



[発題2]齊藤智朗「明治20年代初頭の国学と皇典講究所・國學院」
 続いて齊藤から、「明治20年代初頭の国学と皇典講究所・國學院」と題して講演があった。齊藤は、まず皇典講究所・國學院の背景となる明治10年代の国学の動向、また国学をめぐる政治・社会情勢について触れ、「近代的な学問」として、現実政治や社会に活用できる「実践的な学問」として国学を位置づけていこうとする気運が国学者のなかから現われ、その「後進育成」を目的として、皇典講究所・國學院をはじめとする国学関連の教育機関が設立されたことを述べた。東京大学教授・皇典講究所教授を務めた小中村清矩の事蹟を紹介し、彼が「近代的な学問」「実践的な学問」として国学を位置づけ、後進の育成を実践したことを指摘。最後に皇典講究所の出版物『皇典講究所講演』に触れ、皇典講究所の講演には、老大家も新進の国学者も平等に講演し、競合を行なわれたこと。講演自体が伝統文化研究・教育に関わる啓蒙活動であったことを指摘した。


6. 成果と課題
 青木による武田祐吉の学問の継承をめぐる研究・教育両面での分類は、ひとり武田に限らず、宮地・大場・河野・三矢・折口にも同様にいえることであろう。これらの先学の学問内容を明らかにし、継承していくことを考える際には、大変示唆に富む提言といえる。また齊藤が述べた國學院の歴史をその学問的基盤・学問史から捉えていくことも、今後の本研究プロジェクトの方向性を指し示している点で重要である。今後、青木・齊藤の提言を受けて、本研究プロジェクトを進めていくとともに、その研究成果をいかに社会に発信していくかを模索する必要がある。
 
文責: 戸浪裕之(ポスドク研究員)



このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課

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