愛媛県宇和島・牛鬼調査
2010年7月8日更新
1.調査目的
現在、「神社祭礼に見るモノと心」グループでは、日本全国の神社祭礼に登場する「曳きもの」(山車・だんじり・ほこなど)に、いかなる地域的差異がみられるかを解明することを研究課題のひとつとしている。本グループによる分析の結果、愛媛県では祭礼時に「牛鬼」と呼ばれる曳きものを好んで用いることが判明した。しかしながら、牛鬼に関しては、これまで研究があまりなされていない。そこで本グループでは、平成21年度より愛媛県の曳きものの祭礼の地域的特徴のひとつである「牛鬼」に注目し、牛鬼行事の概要(歴史的背景・分布、牛鬼の構造・製作方法に関する情報の伝播など)の把握に努めてきた。
本調査の主眼は、昨年度に実施した三島神社の牛鬼行事に関する基礎的情報を継続して収集することと(「三島神社例祭および近隣の牛鬼の祭り調査」参照)、愛媛県最大の牛鬼行事と密接な関係にある和霊神社の例祭の構造・歴史的背景などを明らかにすることにある。また、愛媛県歴史文化博物館において同館所蔵の数種類の曳きものを見学し、これら曳きものの構造の把握も試みることとした。
2.調査期間
平成22(2010)年7月22日(木)~26日(月)
3.調査地
愛媛県宇和島市
4.参加者
筒井 裕 (ポスドク研究員)
鈴木 聡子 (ポスドク研究員)
伊東 裕介 (リサーチアシスタント)
秋野 淳一 (作業協力者)
5.概要
(1)宇和島市における牛鬼行事に関する調査
本調査においては、愛媛県最大の牛鬼行事と密接な関係にある和霊神社に注目し、その祭礼の構成・歴史的背景・現況などについて、現地での観察・聞き取り調査を通して明らかにした。また、昨年度から継続的に実施している三島神社の牛鬼行事についても追加調査をおこない、行事の継承問題や牛鬼の作製に関する情報の伝播などの点についても解明を進めた。
(2)愛媛県歴史文化博物館における展示物調査
愛媛県の曳きものの構造・呼称などの地域的特徴を明らかにすべく、愛媛県歴史文化博物館で同県の曳きものに関する展示物(布団太鼓・牛鬼など)を観察するとともに画像資料の収集を図り、これらの構造の特徴について理解を深めた。
6.今後の課題
「神社祭礼に見るモノと心」グループでは、神社祭礼に登場する曳きものにいかなる地域的差異がみられるか、また、現在、これらの祭礼がどのようにして継承されているかの解明を主要な研究課題としている。以上の調査を通して得た知見をもとに、調査員一同で曳きものの祭礼や牛鬼行事に関する調査報告を執筆し、学術雑誌などに投稿していく予定である。
(文責: 筒井裕)
このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課






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