ワークショップ「正月飾り(きりこ)製作教室」
2010年7月8日更新
1. 開催目的
「神社祭礼に見るモノと心」グループでは、日本全国で行われる祭礼や年中行事に供される「モノ」に関する調査研究を進めている。その中で宮城県に焦点をあてて調査を行った結果、同県下では、御幣・切り紙・きりこ・きざみもの・おかざり等と称される非常に多様性に富む伝承切紙が現在まで伝承されており、各世帯では、毎年正月にそれらを神棚に祀っていることが明らかとなった。
以上の点をふまえ、本ワークショップにおいては、宮城県の伝承切紙の著名な専門家を講師として招き、「きりこ」に関する宗教的意味や製作方法等の学術的情報の提供を受けるとともに、國學院大學伝統文化リサーチセンターの研究者による資料館の展示解説を行うことで、我が国の祭礼や年中行事への理解を深めることとしたい。
以上の点をふまえ、本ワークショップにおいては、宮城県の伝承切紙の著名な専門家を講師として招き、「きりこ」に関する宗教的意味や製作方法等の学術的情報の提供を受けるとともに、國學院大學伝統文化リサーチセンターの研究者による資料館の展示解説を行うことで、我が国の祭礼や年中行事への理解を深めることとしたい。
2. 日時
平成21年12月12日 13時~16時30分
3. 会場
本学渋谷キャンパス3号館3309教室(きりこ製作教室)
同学術メディアセンター棟地下1階 伝統文化リサーチセンター資料館(展示解説)
4. 講師等
きりこ製作講師(敬称略)
榊原 久康 (宮城県塩竈市・稲荷神社宮司)
伝統文化リサーチセンター資料館展示解説
島田 潔 (本センター客員研究員)
司会
茂木 貞純 (本センター教授、本グループ研究代表者)
5. 概要
・切り子についての解説
榊原氏より以下の解説を受けた。
(A)きりこの定義と歴史
「きりこ」とは、御幣・きざみもの等と称される正月飾りである。宮城県以外に三重県にも事例があるが地域的な広がりが特に見られるのは宮城県であり、江戸中期頃に神主や法印等により伝承されていったと考えられる。しかし、必ずしも宮城県下の神社の全てに伝承されてはいない。例えば陸奥国一宮の鹽竈神社にはきりこの伝承はみられない。
また、各家庭の祈願・祈祷を担うことによりきりこ頒布の伝統や多様な図柄の展開が生じた。
(B)きりこの種類
大きく「切り透かし型」「注連飾り型」「幣束型」の3種に分けられる。今回製作する稲荷神社のきりこは「切り透かし型」でありそのデザインが左右非対称である点が特徴となっている。
今回製作するきりこ「五枚もの」と「宝船」であり、「五枚もの」は古来伝承されてきたもの、「宝船」は近年の発案である。ちなみに「五枚もの」にはそれぞれ、
幣束: 御札の前に御幣を立てた図
末広: 物事が末広がりになるようにという願い
鯛: 「おめでたい」という言葉を掛けた縁起物
鎮火: 火の用心、火難を避ける意
蕪: 家庭円満
の意味があり、正月にあたり一年が良き年であることの願いが込められている。
・きりこの製作
「五枚もの」と「宝船」を反転印刷したものを型紙として同サイズの紙の上からクリップで固定、それをカッターで切って製作した。
榊原氏による適宜に指導により製作が進められたが、同講師が持参した「幣束型」のきりこにも参加者の関心が集まり、急遽型紙を配布して製作を行った。
・資料館の見学
(A)塩竈市・稲荷神社のきりこ(実物)
今回のワークショップで体験した「きりこ」の実物を見学、研究者の説明を受けることで、きりこに対する理解をより深めることを目的とした。
(B)「四季の祭り」コーナー
今回のワークショップのテーマが年中行事に関わる内容であったことから、四季の祭りのコーナーを見学した。
一年(四季)という単位が人の一生に重なり、四季の祭りが誕生・成長・成熟・死という人生の各段階に対応する性格を有することを説明した。また、冬が単に死にとどまるのではなく、春に生まれ出る生命が育まれることと、そのために「こもり」が必要であることを岡山県の頭屋祭で祀られる種籾俵(オンタネサン)等の資料を通じて紹介した。
6. 所見
今回のワークショップの参加者からは、「きりこ」の文化的意義を知ることができ、実際に自分でそれを製作できたという点において年齢性別を問わず「充実した」「楽しかった」というご感想をいただいた。また継続的な開催を求める声も多かった。
また、今回のワークショップに参加するまで伝統文化リサーチセンター資料館の存在を知らなかった方も多く、一般社会における祭礼や年中行事の文化への理解及び関心の高揚に資することができた。
(文責: 池谷浩一)
きりこ製作の様子
榊原講師によるきりこ製作の指導
このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課






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