東北地方北部における祭祀遺跡・遺物調査(第2回)
2010年7月8日更新
1. 調査目的
本調査では、祭祀遺物の製作・使用・廃棄に関する知見や分布状況などを把握することを目的に、東北地方北部における祭祀遺物の実見・観察、および祭祀遺跡の踏査を行った。また、金属顕微鏡を用いて、石皿に見られる使用痕などの微細な観察も行った。
2. 出張期間
平成21(2009)年8月25日(火)~8月31日(日) (6泊7日)
3. 調査地
青森市教育委員会(青森県青森市)、青森県埋蔵文化財調査センター(青森県青森市)、滝沢村教育委員会(岩手県滝沢村)、岩手県埋蔵文化財センター(岩手県盛岡市)、秋田県埋蔵文化財センター(秋田県大仙市)、北秋田市教育委員会(秋田県北秋田市)、鹿角市教育委員会(秋田県鹿角市)
4. 調査参加者
杉山 林継 (センター長)
加藤 里美 (講師)
阿部 昭典 (客員研究員)
加藤 元康 (ポスドク研究員)
朝倉 一貴 (本学大学院生)
5. 活動の概要
8月25日
青森市森林博物館にて、青森市所在の小牧野遺跡、稲山遺跡の出土遺物の実見・観察を行った。その後、青森市内の山野峠遺跡、小牧野遺跡、石江遺跡群などを踏査した。
8月26日
青森県埋蔵文化財調査センターにて、弥次郎窪遺跡、泉山遺跡、中平遺跡などの出土資料の実見・観察を行った。
8月27日
岩手県滝沢村埋蔵文化財センターにて、湯舟沢遺跡、湯舟沢2)遺跡、外久保遺跡などの出土資料の実見・観察などを行った。
8月28日
岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターにて、清田台遺跡、馬立1)遺跡、大日向2)遺跡、長倉1)遺跡、台太郎遺跡などの出土資料の実見・観察を行った。
8月29日
北秋田市教育委員会にて、森吉山ダム関連遺跡、伊勢堂岱遺跡などの出土資料の実見・観察を行った。
8月30日
秋田県埋蔵文化財センター特別展示室、秋田県立博物館にて、秋田県内の古代資料および重要資料を実見した。
8月31日
北秋田市教育委員会の榎本剛治氏にご案内により、同市内の遺跡の踏査を行った。その後、鹿角市教育委員会「大湯環状列石ストーンサークル館」にて、大湯環状列石出土資料の観察を行った。
6. 所見
今回の調査では、東北地方北部の青森県・岩手県・秋田県をめぐり、各地域での祭祀に関連する遺跡や遺物の特徴などを把握することができた。「第2の道具」の土偶や石刀の微細な観察では、遺物表面に付着する赤色顔料やアスファルトの有無、使用や製作に関わる様々な痕跡を確認し、その傾向を見出すことができた。本年度のフォーラムで提示した「第2の道具」のライフサイクルモデルを検証する上で重要な成果である。
金属顕微鏡による石皿の観察では、磨り面をより細かく観察し、その頻度やその使い方・動作などを想定する基礎的データを蓄積することができ、形態的な特徴などとともに、今後、石皿の祭祀性を検討するための材料を得ることができた。
また、景観復元のための遺跡の現地踏査や、古代の祭祀についての研究動向などを確認した。調査地では、各地域の方々のご協力のもとに本学では所蔵していない遺跡発掘報告書の充足を図り、今後の研究活動の基盤形成に大きく寄与することができた。
文責: 加藤元康・阿部昭典
このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課






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