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國學院大學
伝統文化リサーチセンター

伊豆諸島における祭祀遺跡・遺物調査

2009年4月10日更新

1. 調査目的
 東京都八丈島の属島である八丈小島には、16世紀から昭和半ばまでの約400年にわたり、信仰の対象となっていた、板石を御神体とした遺構群(遺跡)が存在する(鳥打遺跡、宇津木遺跡)。当遺跡は、伊豆諸島南部地域の信仰文化を考える際に極めて重要な遺跡と言える。
 そこで、本調査では鳥打地区に生まれ、教職の立場で、永らく島で生活をされていた方に同行いただき、島での生活環境、祭祀などについて聞き取り調査を行なった。それとともに、祭祀遺跡と住居空間・生産場・墓域などの位置関係を把握するために、GPSを用いた測地や写真撮影を行ない、祭祀遺跡の背景的な復元作業に必要な情報を入手した。また八丈町歴史民俗資料館に収蔵されている八丈小島に関する資料の観察、写真撮影なども行なった。
 
2. 出張期間
平成20(2008)年9月1日(月)~9月3日(水)(2泊3日)
 
3. 調査地
八丈町教育委員会・八丈町歴史民俗資料館・八丈小島鳥打遺跡・宇津木遺跡(東京都八丈町)
 
4. 調査参加者
内川 隆志 (准教授)
田中 大輔 (ポスドク研究員)
塩谷 風季 (本学大学院博士課程前期)
 
5. 活動の概要
9月1日
八丈町教育委員会にて、関連文献ならびに本調査に関する作業確認を行なう。
9月2日
八丈小島の鳥打遺跡・宇津木遺跡を踏査し、写真撮影とGPSで測位を行なう。
9月3日
八丈歴史民俗資料館にて、八丈小島出土遺物を実見する。
 
6. 所見
 今回の調査では、平成3年の調査で記録できなかった鳥打地区の集落配置図などを作成できたことも大きな成果である。また、八丈小島出身の方にご同行頂き、現地での聞き取り調査を行なうことができた。それにより、八丈小島における祭祀行為の詳細について知ることができた。
 祭祀場は各家庭で使用されたと考えられ、祭祀内容は万事に関わる全てを包括するものであり、主に巫女が主体で祭祀を行なっていたことを確認した。さらに、旧鳥打村の戸隠神社の参道脇には、多量の板石を使用した遺構が確認された。これは「ゴデバサマ」と呼ばれる未報告の遺構であり、土着信仰と神社信仰とが併存している点で興味深いものである。
 宇津木遺跡では、今まで未確認であった祭祀遺構が2基発見された。八丈小島の祭祀遺跡で多用される板状節理片は、いわゆる利島石と称されるものである可能性が高いものと見做され、今後、その流通や鉱物学的所見などを明らかにする必要がある。
 
文責: 内川隆志・田中大輔





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