第4回「祭祀遺跡に見るモノと心」定例研究会
2011年5月18日更新
1.開催趣旨
「祭祀遺跡に見るモノと心」グループが標榜する「祭祀考古学」は、祭祀に関わる遺構・遺物の分析という考古学的手法を基礎としつつも、文献史学、民俗学、人類学など他分野の成果も積極的に援用する領域横断的学際的研究を目指し、各時代における信仰およびその歴史性を理解し、考古資料という「モノ」から当時の信仰・観念などの「心」を読み取ることを目的としている。方法論に関する議論は初年度より積み重ねてきたが、再度、「モノ」から「心」へ接近する方法論を再確認するとともに、最終年度に向け、そのブラッシュアップの方向性や、全体事業として掲げる「モノと心に学ぶ伝統の知恵と実践」の問題へと如何に接続するのかを議論すべく、本研究会を開催した。
2.開催日時
平成22(2010)年12月22日(水) 15時~18時
3.場 所
國學院大學学術メディアセンター5階会議室06
4.発表タイトル・発表者
(1)「モノと心の人類学的思考―「初原的同一性」・「エージェンシー」からの考察―」
石井 匠 (國學院大學伝統文化リサーチセンターポスドク研究員)
(2)「石神(しゃくじん)の変態(メタモルフォーゼ)-『三宅記』に見る古民俗と考古資料の解釈-」
深澤 太郎 (國學院大學伝統文化リサーチセンター助教)
「祭祀遺跡に見るモノと心」グループが標榜する「祭祀考古学」は、祭祀に関わる遺構・遺物の分析という考古学的手法を基礎としつつも、文献史学、民俗学、人類学など他分野の成果も積極的に援用する領域横断的学際的研究を目指し、各時代における信仰およびその歴史性を理解し、考古資料という「モノ」から当時の信仰・観念などの「心」を読み取ることを目的としている。方法論に関する議論は初年度より積み重ねてきたが、再度、「モノ」から「心」へ接近する方法論を再確認するとともに、最終年度に向け、そのブラッシュアップの方向性や、全体事業として掲げる「モノと心に学ぶ伝統の知恵と実践」の問題へと如何に接続するのかを議論すべく、本研究会を開催した。
2.開催日時
平成22(2010)年12月22日(水) 15時~18時
3.場 所
國學院大學学術メディアセンター5階会議室06
4.発表タイトル・発表者
(1)「モノと心の人類学的思考―「初原的同一性」・「エージェンシー」からの考察―」
石井 匠 (國學院大學伝統文化リサーチセンターポスドク研究員)
(2)「石神(しゃくじん)の変態(メタモルフォーゼ)-『三宅記』に見る古民俗と考古資料の解釈-」
深澤 太郎 (國學院大學伝統文化リサーチセンター助教)
5.概 要
(1)石井 匠「モノと心の人類学的思考―「初原的同一性」・「エージェンシー」からの考察―」
石井は文化人類学的な祭祀考古学の方向性を提示した。具体的には、煎本孝が「人類の進化と北方適応」(『文化人類学』74巻4号)で論じる狩猟採集民の心の社会像である「初原的同一性」論理に準拠し、アイヌの器物との関係性を事例に、狩猟採集民におけるモノ(人工物)と心の関係性のモデルを提示した。その上で、モノと心の関係性を考察する上で重要なエージェンシー論を援用し、人のみならずモノ(人工物)が行為主体者となりうる可能性を提示した。また、狩猟採集民と現代都市民におけるモノと心の関係性を比較し、その構造的類似性や変容点等について考察を加えた。
(1)石井 匠「モノと心の人類学的思考―「初原的同一性」・「エージェンシー」からの考察―」
石井は文化人類学的な祭祀考古学の方向性を提示した。具体的には、煎本孝が「人類の進化と北方適応」(『文化人類学』74巻4号)で論じる狩猟採集民の心の社会像である「初原的同一性」論理に準拠し、アイヌの器物との関係性を事例に、狩猟採集民におけるモノ(人工物)と心の関係性のモデルを提示した。その上で、モノと心の関係性を考察する上で重要なエージェンシー論を援用し、人のみならずモノ(人工物)が行為主体者となりうる可能性を提示した。また、狩猟採集民と現代都市民におけるモノと心の関係性を比較し、その構造的類似性や変容点等について考察を加えた。
(2)深澤 太郎「石神(しゃくじん)の変態(メタモルフォーゼ)-『三宅記』に見る古民俗と考古資料の解釈-」
深澤は歴史学的「神道考古学」の方法論の方向性を提示した。具体的には、従来、比較資料の時間性の問題を孕む民俗考古学に、対象とする考古資料の同時代的な文献資料や民俗資料を注入し、それらの構造比較を図ることで、民俗考古学を歴史考古学化するというものであった。この方法論による研究対象の好例として、本グループが推進している伊豆諸島研究を事例に挙げ、民俗学や考古学の一方に偏重しがちな解釈ではなく、研究者と被研究者との認知の相違を踏まえた上で、新たな歴史学的神道考古学の解釈提示の可能性を提示した。
6.成果と課題
試論的な発表ではあったが、文化人類学的「祭祀考古学」と歴史考古学的「神道考古学」という方法論の一定の方向性が拓かれ、最終年度へ向けての方法論研究の布石にはなった。後の議論では、今後、二つの方法論によるケーススタディを積み重ねつつ、ブラッシュアップを図る必要性や他グループと連携を深めながら研究を推進していくことの重要性を確認し合った。
深澤は歴史学的「神道考古学」の方法論の方向性を提示した。具体的には、従来、比較資料の時間性の問題を孕む民俗考古学に、対象とする考古資料の同時代的な文献資料や民俗資料を注入し、それらの構造比較を図ることで、民俗考古学を歴史考古学化するというものであった。この方法論による研究対象の好例として、本グループが推進している伊豆諸島研究を事例に挙げ、民俗学や考古学の一方に偏重しがちな解釈ではなく、研究者と被研究者との認知の相違を踏まえた上で、新たな歴史学的神道考古学の解釈提示の可能性を提示した。
6.成果と課題
試論的な発表ではあったが、文化人類学的「祭祀考古学」と歴史考古学的「神道考古学」という方法論の一定の方向性が拓かれ、最終年度へ向けての方法論研究の布石にはなった。後の議論では、今後、二つの方法論によるケーススタディを積み重ねつつ、ブラッシュアップを図る必要性や他グループと連携を深めながら研究を推進していくことの重要性を確認し合った。
(文責:石井匠)
このページに対するお問い合せ先: 研究開発推進機構事務課






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