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2016年4月12日更新

石井 匠(イシイ タクミ)

ISHII, Takumi


現職 学芸員
専門分野 考古学、芸術人類学



メッセージ
 生活と祭祀儀礼は不可分のものである。ヒトは人生における節目や、何か行動を起こすとき、あるいは何か困難な事態に直面したとき、人間とは別次元に存在すると信じるカミに問いかけてきた。祭祀儀礼は生活を営むうえで生じる過去・現在・未来への不安をなんとか解消しようとする、人間ならではの知恵である。その意味では、祭祀儀礼は生活を担保するもの、あるいは、日々、生きていく上でのさまざまな不安を取りのぞくための安全弁のようなものといえるかもしれない。
 ところで、人はなにか宗教的な行為をとろうとする時、自分たちの信仰に欠かせない意味ある場所を選び、それに必要な装いや道具をしつらえる。現代とはちがって、先史時代における宗教的行為を復元しようとする場合、証拠として残されているのは選ばれた「場所」とつくられた「道具」の一部である。
 本グループでは、東北地方の縄文時代後期前葉の環状列石を研究対象のひとつとして取り上げているが、当時の人々は生活空間とは別に、たくさんの自然石によって、ある場所を円形状に囲う特別な空間をつくりだした。おそらく、何らかの祭祀儀礼を行うための空間デザインであると思われるが、それは彼らにとって意味ある場所を、おそらく意味ある河原から選別してきた自然石で囲う行為の所産である。
 それとは別に、縄文時代中期の終わり頃からイエの床に板状の石を敷き詰めたり、自然石でイエの周りを囲ったりする行為も見られるようになる。そのおびただしい石に彩られる住空間の中心には、「炉」という特別な場所がある。イエ空間の中心の炉は、必ずといっていいほど自然石(ときには石棒)で囲われる。イエの核ともいえる炉を石で囲う。この行為は、縄文時代中期のはじめ頃から普遍的にみられるようになる。
 なにか意味のある場所から選別してきた石によって、生活のなかで特別な意味ある場所を囲う。なぜ、石で囲うのか? なぜ、石なのか? 縄文時代における自然物であり人工物の素材となる石の利用を起点に、石と生活、石と祭祀儀礼の関わりを究明していきたい。
 
著書
(単著)『縄文土器の文様構造―縄文人の神話的思考の解明に向けて』(未完成考古学叢書7、アム・プロモーション、2009年)(単著)『縄文土器の文様構造―縄文人の神話的思考の解明に向けて』(未完成考古学叢書7、アム・プロモーション、2009年)
その他
[論文]
・石井匠「縄文土偶のイメージ‐「消化器」表現の変遷を中心に」『日本基層文化論叢』雄山閣、2010年(印刷中)。
・石井匠「物づくりにおける「モノ」とは何か‐縄文土偶と現代フィギュアの比較から」『モノ学・感覚価値』科研:モノ学・感覚価値研究会年報第4号、2010年、118-127頁。
・石井匠「縄文時代における空間認識とモノづくり‐モノとこころの結節点」『國學院大學伝統文化リサーチセンター研究紀要』第2号、2010年、59-70頁。
・石井匠「モノの芸術学‐創造の原点」『モノ学・感覚価値』科研:モノ学・感覚価値研究会年報第3号、2009年、50-59頁。
・石井匠「祭祀の時空‐ヒト・モノ・異界の接点」『國學院大學伝統文化リサーチセンター研究紀要』第1号、2009年、25-33頁。
・石井匠「文様構造」『総覧縄文土器』アム・プロモーション、2008年、1168‐1173頁。
・石井匠「対極の神話 現代の猿田彦・岡本太郎の創造した神話世界―縄文から《明日の神話》へ」、『あらはれ』猿田彦大神フォーラム年報10号、2007年、72‐107頁。
・石井匠「縄文土器文様の構造」『季刊考古学』第100号、雄山閣、2007年、36‐40頁。
・石井匠「縄文人のモノ感覚」『モノ学・感覚価値』科研:モノ学・感覚価値研究会年報第1号、2007年、66‐73頁。
・石井匠「縄文土器の文様構造」『國學院雜誌』第107巻7号、2006年、21‐46頁。
・石井匠「《太陽の塔》‐岡本太郎の呪術世界」藝術文化雑誌『紫明』第18号、紫明の会、2006年、27‐33頁。
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